銀聯カードを日本のATMで使う時の手数料レートまとめ

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中国で仕事をしていて人民元で給料を受け取っていて、中国の銀行口座に預金があるんだけど、日本に帰省した時に使いたい、そう思う方は意外と多いようです。

そんな時、日本のATMで銀聯カードを使って日本円現金を引き出すことができるんです。

銀聯カードを日本のATMで使う場合の手数料・両替レート・様々な制限についてまとめてみました。

この記事を書いた人
DASHi@わーとら!管理人

旅ブロガー。中国地方の某県を拠点に、のんびり地方暮らしをしつつ業務やプライベートで海外と日本を行ったり来たりする日々を続けて20年、行った旅行先はアジア~北米・ヨーロッパを中心に20ヶ国以上になります。このブログでは旅から気づいた情報を発信しています。本業はフリーランスのソフトウェアエンジニア、趣味は海外鉄道の乗り歩き。

日本のATMで銀聯カードを使う場合の、3種類の手数料

日本のATMで銀聯カードを使って日本円を引き出す場合、①公定レートと銀聯レートの差 ②日本のATM設置銀行手数料 ③銀聯カードの「境外提款手续费」の3つの手数料がかかります。

この3つの手数料をそれぞれ節約するのが、オトクに銀聯カードで日本円を引き出す秘訣です。

銀聯レート

中国の銀聯マークがついたカードを日本で利用する場合、どの銀行のカードであっても同じ「中国银联汇率」が適用されます。

銀聯レートは原則として1日1回、中国時間の11時(日本時間正午)ごろ更新されるため、時間の自由がある場合は、「レートが昨日より円高なら朝のうちに、昨日より円安なら午後に」とするとちょっとオトクになりますね。

コラム:銀聯レートに関するあれこれ

  • 中国の銀行は(一応)自由に為替レートを決められるので、中央銀行のレートと銀行のレートは若干異なることがありますが、基本的にほぼ横並びなので気にする必要はありません。
  • 一般に、銀聯レートは現金両替レートよりも0.5%ほど有利なので、銀行で日本円に両替するより銀聯カードで下ろした方が便利だしオトクです。
  • 銀聯レートは人民元の公定レートよりも、人民元(香港オフショア)レートに近い動きをしているようです。

ATMの設置銀行(日本側)が徴収する手数料

日本のATMで銀聯カードを使う場合、ATM設置銀行(日本側)がATM利用料としていくらかの手数料を徴収します。

日本側手数料は1回につき100円前後と少額ですが、ATM利用1回ごとに手数料を取る形となっているので、できるだけ1回の操作で引き出す額を多くするのが節約のカギになります。

口座のある銀行(中国側)が徴収する手数料

中国の多くの銀行は、銀聯カードが国外で使われる場合に、「境外手続費(境外手续费)」を徴収します。

これは日本側のATM手数料とは別のもので、無料から2000円以上までと、銀行ごとの手数料の差が非常に大きいので注意が必要です。

日本で銀聯カードが使えるATMは?

2016年7月現在、以下の日本の金融機関のATMで銀聯カードが使えるようになっています。

セブン銀行
イオン銀行
ゆうちょ銀行
ローソンATM
イーネットATM
三井住友銀行
東京UFJ銀行
SMBC信託銀行PRESTIA
京都銀行(一部)
北洋銀行(一部)
千葉銀行(一部)
八十二銀行(一部)
琉球銀行(一部)

日本のATMで銀聯カードが使えない?

最近、日本のATMで銀聯カードが使えない、希望した通りの金額が引き出せない、ということが発生しているようです。

考えられる原因について以下の記事にまとめました。

ここからは、日本のATM設置銀行が徴収するATM手数料と、中国の(口座のある)銀行が徴収する境外提现手续费の具体的な金額を調査していきたいと思います。

日本側「ATM利用手数料」

上でも少し触れましたが、日本側のATM利用手数料は100円前後と少額で、全て「1回あたり○○円」という定額制になっています。

セブン銀行:110円(1回の限度額IC10万円/磁気3万円

ローソンATM:110円(1回の限度額5万円)

イーネットATM:110円(1回の限度額→4万円)

イオン銀行:75円(1回の限度額→5万円)

三井住友銀行:75円(1回の限度額→5万円)

ゆうちょ銀行:110円(1回の限度額→5万円)

みずほ銀行:105円(1回の限度額→5万円)

東京UFJ銀行:110円(1回の限度額5万円)

SMBC信託銀行PRESTIA(旧CITIBANK):0円(1回の限度額500米ドル相当)

中国側「境外手続費」

上でも述べた通り、実はこちらの中国側手数料の差が大きく、最大で2,000円近くの差になることも多いので、大切なのは中国で口座を開く銀行の選び方、と言えそうです。

以下の表は、インターネット上に公表されている資料を元に2016年7月13日の銀聯レートを基準にして計算したものです。 情報の正確性について保証はできませんのでご了承ください。また、間違い等を発見されましたらご指摘いただけると助かります。

この記事では大手~中堅の16行を取り上げました。他の地方銀行の手続費について知りたい場合は、該当する銀行のサイトにアクセスし、资费标准メニューから银联卡取现や境外银联取现などのキーワードを探してみてください。

四大銀行

中国の4大銀行の中では、中国銀行がまだ比較的安い方ですが、それでも最大で1回あたり50元近くかかるので、決して少ないとは言えない額ですね。

中国銀行

引き出し額の0.5%(1回あたり最低15元,最高50元)

中国工商銀行

1回につき12元+引き出し額の1%(1回あたり最低14元,最高112元)

中国建設銀行

1回につき12元+引き出し額の1%

中国農業銀行

1回につき12元+引き出し額の1%

四大銀行の1回あたり引き出し額別手数料を比較するとこうなります。

引出額中国銀工商銀建設銀農業銀
10,000円
(約643元)
15元18元18元18元
50,000円
(約3,215元)
16元44元44元44元
75,000円
(約4,822元)
24元60元60元60元
150,000円
(約9,645元)
48元108元108元108元

準大手4行

続いて準大手の4行を比較してみます(「八行五保」のうち既に挙げた四大銀行を除いたもの)。中信銀行と民生銀行が15元の定額制でかなりお得です。

「八行五保」とは、香港株式市場に上場している中国の大手銀行・保険会社を指す呼び方です。日本の「東証一部上場」と同じように、大企業の代名詞ともなっています。

交通銀行

1回につき12元+引き出し額の1%(最低15元)

招商銀行

引き出し額の0.5%(最低10元)

中信銀行

1回につき15元

民生銀行

1回につき15元

準大手4行の1回あたり引き出し額別手数料を比較するとこうなります。

引出額交通銀招商銀中信銀民生銀
10,000円
(約643元)
18元15元15元15元
50,000円
(約3,215元)
44元16元15元15元
75,000円
(約4,822元)
60元24元15元15元
150,000円
(約9,645元)
108元48元15元15元

国有・その他準大手4行

次に、中国国営の郵政銀行と、その他の香港株式市場に上場している銀行を比較してみます。

光大銀行の「出国+卡」カードは月3回まで手数料が無料になります。

光大銀行で「出国+卡」を作る時、「手数料は月2回まで無料」と言われますが、読者の方が実際に光大銀行カードで試してくださったところでは月3回まで無料で引き出せたとのことです。

中国郵政儲蓄(郵儲)銀行

1回につき12元+引き出し額の0.5%(最低15元,最高62元)

中国光大銀行

1回につき15元(「出国+卡」は月2回まで無料)

 中国HSBC(匯豊)銀行

1回につき20元+引き出し額の1%

ハルビン銀行

1回につき15元

これら4行の1回あたり引き出し額別手数料を比較するとこうなります。

引出額郵儲銀光大銀匯豊銀ハル銀
10,000円
(約643元)
15元0元26元15元
50,000円
(約3,215元)
28元0元52元15元
75,000円
(約4,822元)
36元0元68元15元
150,000円
(約9,645元)
60元0元116元15元

中堅銀行

次は上海株式市場に上場している中堅銀行4行です。

この中でも華夏銀行は毎日1回(2017年1月7日から毎月1回)まで手数料が無料になります。

華夏銀行

毎月1回まで無料、2回目以降は12元

上海浦東開発(浦発SPD)銀行

1回につき18元

 北京銀行

1回につき15元

興業銀行

1回につき16元

引出額華夏銀浦発銀北京銀興業銀
10,000円
(約643元)
0元18元15元16元
50,000円
(約3,215元)
0元18元15元16元
75,000円
(約4,822元)
0元18元15元16元
150,000円
(約9,645元)
0元18元15元16元

 まとめ:手数料最安は光大銀行/華夏銀行のカード

こうして見てみると、手数料を一番節約するには、光大銀行か華夏銀行のカードが一番良さそうです。

中国側のメインバンクの変更はちょっとハードルが高いですが、日本でも良く引き出しをする場合は日本から引き出す時のために、華夏銀行や光大銀行に口座を作っておくと良いですね。

更新情報とお知らせ

華夏銀行の境外手続費について

華夏銀行の「境外手续费」無料回数が、2017年1月7日から「毎月1回」に引き下げられました。(2017/1)

セブン銀行のATM手数料について

セブン銀・ローソンATM・イーネットATMの手数料について複数の方からコメントで情報をいただいていますが、最新のセブン銀ATM画面では「銀聯カード利用時は手数料110円」との表示があることを確認しました。(2016/12)

2016年6月から各金融機関で1回あたりの限度額が大幅引き下げられています

2016年5月に発生したコンビニATM多額不正引き出し事件の影響で、各金融機関ATMの海外発行カード(銀聯カード含む)利用時の1回あたり引き出し限度額が大幅に引き下げられています。(2016/5)

記事中の各ATM引き出し限度額も更新しています。

  • 2016/01/16 セブン銀行の手数料を更新、ローソンATMと光大銀行「出国+卡」の情報を追加しました。
  • 2016/02/29 銀聯レート決定時間について追記しました。
  • 2016/03/03 イーネットATMについて追記しました。
  • 2016/03/30 光大銀行「出国+カード」の情報を修正しました。
  • 2016/07/13 各ATMの1回あたり引き出し額制限の情報を更新しました。
  • 2016/10/05 セブン銀行ATMの1回あたり引き出し額制限の情報を更新しました。
  • 2016/12/28 セブン銀他のATM手数料、華夏銀行の手数料無料回数についての情報を更新しました。
  • 2018/02/18 読者の方からいただいた情報を元にSMBC信託銀行《プレスティア》ATMの出金限度額を更新しました。
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