最近、中国出張のペースが上がってきているので、なんとか地元の人のように微信支付や滴滴快车が使えないかと、これまで数回にわたって試行錯誤してきました。
そしてこのたびやっと、ついに中国版Uberの滴滴快车を使うことができました!
使えるようになるまでがちょっと大変でしたが、これ使うとかなり病みつきになりそうです^^
そんな、短期出張の合間に滴滴快车にトライしてみた記録と乗車レポートをお届けします。
中国版Uberの滴滴快车
世界にはGoogleがありますが、中国にはバイドゥ(百度)があります。
世界にはUberがありますが、中国にはディーディー(滴滴)があります。
滴滴は上海などの大都市はもちろん、地方都市でもかなり活発に使われていているとのこと。
今回の蘇州出張でその滴滴快车を使ってみました。
中国語は必須ですが非常に便利
先にざっくりとまとめておくと、滴滴打车は使いこなせばかなり便利でした。
ただ、ほぼ100%運転手との電話のやり取りが必要になるため、ある程度(基本会話レベル)の中国語は必要になります。
また、後でも触れますが一応ほぼ「白タク」のため、万が一の場合にちょっとややこしくなるかもしれません。
ただ、それらを差し引いても、滴滴は安くて非常に便利なシステムです。
初期状態ではタクシー配車アプリとしてしか使えない
そもそも、今年の春の北京で、インストールさえしておけば使えると思って滴滴出行アプリを入れておいたのです。
いざ北京首都空港に着いて使ってみようと思うと、初期状態で使えるのはタクシーの呼び出し(呼叫出租车)のみと言うことが分かりました。

本物の滴滴快车を使うにはモバイル決済とのリンクが必要
その理由はと言うと、滴滴快车などのサービスでは基本的に現金をやり取りしないため、これらのサービスを使うにはWeChatペイメント(微信支付)などのモバイル決済サービスとのリンクが必須になってくる、ということのようです。
そこで「こうなったら滴滴快车を使えるようになるまでとことんやってやる」と意味の分からない闘争心に火が着き、それから3回の出張を挟んで準備を進めてきました。
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滴滴快車(滴滴快车)を使えるようにするために必要なこと
日本ベースの短期出張者が滴滴快车を使えるようになるまでに行った準備作業は、次の3点です。
1.WeChatウォレット機能を確認する。
もし、WeChat(微信)にウォレット(钱包)機能が表示されていない場合は知り合いに頼んで自分宛てに送金してもらいます。
関連記事:日本版WeChatで微信支付(WeChatペイメント)を使うまでの長い道のり
2.中国の銀行で口座を開く
中国の銀行はおおむね、短期旅行者でも口座を開設できるようです。
ただし、一部の銀行は外国籍の口座はWeChatとひも付けできないというルールがあるようですので、口座を開設する前に窓口などで確認しておくと良さそうです。
私は上海の華夏銀行(华夏银行)で口座を開設しました。
関連記事:所要時間たった20分!日本ATM手数料が無料の華夏銀行で口座を作ってきた
3.銀行口座とWeChatをリンク(ひも付け)する
WeChatウォレットは、初期状態では友人間のお金のやり取りなどにしか使えません。
WeChatペイメント(微信支付)や滴滴快车などの機能を使うには、銀行口座とのリンク(绑定)が必要です。
関連記事:日本版WeChatで微信支付(WeChatペイメント)に成功!!
蘇州で滴滴快车を使ってみた!
ということで、何度かの出張のスキマ時間の度に準備を進めて、今回やっと蘇州で滴滴快车を使う機会がやってきました。
1回目:ドライバーに逃げられる
まずは、夕立が激しく降る蘇州駅からのスタートです。
蘇州駅の北口にあった細い道路から乗ろうと試みるのですが、早速のトラブル発生。
どうやら私が待っていた場所は車両進入禁止の場所で、表通りまで出ないと行けないようなのですが、それはともかくアプリで場所が示されてるはずなのに、「你们在哪里?」と聞いてくるドライバー。
私もさすがに10年ぶりの蘇州で、さっぱり周辺の道の名前や目標物が分からず、なんとかドライバーと落ち合おうと会話をするのですが…
「オレも良く道分かんねえから、あんたキャンセルしちゃってよ」とドライバー。
ドライバーなのに駅周辺が分からないってどういうことなんでしょう!ヽ(`Д´)ノ
どうやら、駅周辺は警察の取り締まりが厳しいらしく、ドライバーもちょっと面倒に思ったのかもしれません。でも私の不乗車と記録が残るのは心外なので、後でWeChatにクレームを入れておきました(^^;
2回目:トヨタ・ヴィッツセダン
まあちょっとスタートの印象は悪くなりましたが、それぐらいでめげていては中国出張はできません^^
懲りずに改めて快车を呼びます。
やってきたのはトヨタ・ヴィッツのセダンタイプの海外専用モデル、VIOS(丰田 威驰)という車種です。
今度こそちゃんと乗れました^^
ドライバーによれば、やはり駅周辺は警察の取り締まりが厳しく、交差点内で停車するとあっという間に捕まってしまうのだとか。
ちょうど夕方のラッシュ時だったので、道路が渋滞し始めました。
すると、運転手がかかってきた電話に気を取られて前の車にゴツン!
(・_・;)
前のBMWからドライバーが降りてきて、これはどうなるかと思ったら…
私たちの運転手、前の車のドライバーに「师傅对不起啊!(運転手さんごめんね!)」と一言。
スピードも出てなかったので、双方傷はほとんどついていなかったようです。
BMWのドライバーも、不承不承と言った表情でしたが、大人しく自分の車に戻っていきました。
揉め事になったらどうしよう、高架道路の真ん中で快车を乗り換えるのかなと心配していた私は若干拍子抜け。
よく分からないままにトラブルは片付き、車は無事に目的地に到着しました。
3回目:マツダ・アクセラ
とりあえず宿泊先にスーツケースを置いて、久しぶりに会う友人と夕食でもしようと指定されたところまでまた快车で出かけることにします。
やってきた車はマツダ・アクセラ(马自达 昂科塞拉)、キレイな車体でした。
ただ、やって来た車の写真を撮っていたら、ドライバーが撮らないでくれとアピールします。
聞いてみると、通報されたりするのかとちょっと心配になったのだとか。
と言うのも、滴滴快车はまだ法律上の立場がはっきりしていないサービスで、今のところは事実上の白タク(黑车)です。
また、最近では仕事を失うことを恐れる正規のタクシードライバーとの衝突も各地で発生していて、快车の運転手はかなり神経質になっているようです。
でもドライバーに「日本から来たから滴滴快车が珍しくて」と説明すると、ドライバーは安心してくれたようです。
ということでこの後、快车の写真を撮るのは遠慮しておきました。
代わりに、とりあえず現地で食べたご飯の写真を貼っておきますm(_ _)m
ドライバーは私と同じ旅好き人で国内旅行はあちこちに行ってるんだけど日本にはまだ行ったことがないんだとか。
もし日本旅行に行くならどこがオススメか、中国ならどこがいいか、などの話題でしばらく盛り上がりました。
そして、15分ほどの距離を走って、料金は10.1元(約160円)とかなり格安です。
ドライバーの運転もていねいで、車内も快適、これはタクシーからお客が流れるのも仕方ないでしょうね…
4回目:プジョー・408
友人と久しぶりに食事を楽しんだ帰り、夜も遅くなった時間帯でしたが、滴滴快车はすぐにつかまります。
やってきたのはプジョー408、日本だと結構な値段のする車ですが、中国は現地生産なこともあるのでしょうか、コンパクトセダンぐらいの位置づけなのかもしれません。
でもやはり現地生産と言えどもフランス車の血を引く中国408の乗り心地はかなり良く、これで快车の値段ならかなりオトクなのでは?と思いました。
ドライバーは先月結婚したばかりの新婚さん、途中で奥さんから電話がかかってきて「今日は遅くなる、夜中までやらないと目標が達成できないんだ」みたいなことを話していました。
話を聞いてみると、新婚で車を買ったばかりなのに、会社をリストラされて滴滴専属のドライバーでやっていこうとしているようです。
今日の昼間は客のキャンセルが続いてほとんど稼げなかったから、今日は帰りが遅くなりそうだ、とのこと。
10分ほどの乗車時間で、料金は6元、滴滴からいくらかの補助が付くようですが、それでも滴滴だけで新車を維持しながら生活するのはなかなか大変そうです。
5回目:国産SUVタイプ
翌日の昼、ランチに行きましょうと誘われたので、「じゃあ私が快车を呼びましょう」とカッコつけてみました(^^;
やってきたのは奇瑞瑞虎という、中国国産のSUVタイプの車です。
ドライバーに「これ国産?」と尋ねると、「安いからね」とのこと。
ネットで調べる1600ccエンジンで約10万元(約155万円)、確かに車格の割にかなり安いです。
でも、新車だったこともあってか、乗り心地はかなり快適でした。
ドライバーに聞くと、蘇州はナンバーの取得料金がそれほど高くなく、車を維持するのは難しくないとのこと。
確か上海なんかだと、ナンバー1枚取るのにも10万元(約155万円)ぐらいかかるんですよね。
高級車タイプの滴滴専車(滴滴专车)にも乗ってみました
さて、その日の午後は、蘇州と上海の間にある昆山(昆山)という街に移動です。
高鉄で移動するのも遠回り、バスではとんでもない時間がかかるということで、ここでも滴滴を使うことにします。
せっかくなので今度は、お値段高めの滴滴专车を使ってみることにしました。
専車(专车)は3種類
さて、专车の画面を呼び出してみて分かったのですが、专车はさらに3つの種類に分かれているようです。
- 舒适型(セダンタイプ)
- 七座商务(アルファードタイプ)
- 豪华型(高級車タイプ)
もちろん値段も上から下に向かって高くなります。
レクサス(雷克萨斯)なんかがやってくるらしい「豪华型」も気になりましたが、さすがに値段を見てやめておきました(^^;
ヒュンダイ・ソナタが来た
そして舒适型を選んだ私のところに来たのは、ヒュンダイ・ソナタ(现代 索纳塔)でした。
うーん、このクラスなら正直言って快车のいい目の車と大差ないかな…と思ったのが第一印象です(^^;
車のタイプが違うだけで、特にサービスは変わりありません。
中国生活の先輩から「专车はドアを運転手が開けてくれるらしい」と聞いていたので少し期待してましたがそんなサービスもなく、とりあえず舒适型の場合は車が大型セダンになる、ということだけのようです。
ただ、ドライバーの質は快车よりもさらに良い気がします。
口が乾いたのでコンビニに寄ってほしいとお願いしたところ、トランクにあったミネラルウォーターをくれました。
トランクに常備してるなら乗車サービスでくれてもいいのに、と思ったのは私が日本式サービスに慣れすぎているのかも、しれません。
ただ、車格が大きいだけあって、後席でもクーラーの効きは良く、快適に移動できたのは、少し疲れも出ていたところになかなか良かったです。
1時間ほどの移動で約120元(約1900円)、公共交通機関では移動が難しい場所だったのでとても助かりました。
滴滴快车の◎と×
ということで、今回の滞在中、快车と专车に合計5回乗車する機会がありました。
その5回乗車した感想をまとめてみると、こうなります。
- ◎ユーザーからの評価システムがあるので、ドライバーのレベルはタクシーより高い(ことが多い)
- ◎料金がかなり安い、3~4人で近距離に乗るとバスより安くなることも
- ◎ドライバーとお金のやりとりが一切ないのは超便利!
- ×現状、かなり白タクに近い位置づけなので、トラブルに巻き込まれる可能性もなくはない
- ×正規のタクシーではないので、万が一の場合に海外旅行保険がすんなり適用されるかは未知数
- ×ドライバーは教育を受けていないので、道を知らなかったり運転技術が未熟だったりすることもある(タクシーもほとんど教育受けてないですが><)
ということで、滴滴快车はリスクもない訳ではありませんが、かなり便利であることは間違いありません。
いつも出張先の現地スタッフに快车を呼んでもらってる人は、今度の中国出張で、自分で快车呼んでみると、驚かれるかもしれません( ̄ー ̄)