中国人なら使っていない人はいないとまで言われる「微信(日本名WeChat)」、中国ではなんと、このWeChatでお店の買い物や食事の支払い、友人同士でのお金のやり取りなどまでできるのだとか。
ということで、前回の北京渡航の際にこの微信のおサイフ機能(微信支付,微信钱包)を使ってみようと思ったのですが、日本でGoogle PlayからインストールしたWeChatではこの機能が有効化されていないらしく、かなり四苦八苦しました(^^;
最終的には現地の友人のアイデアであっけなく微信钱包を有効化することができたのですが、そこに至るまでには長い長い道のりがありました。
ただし、詳しくは記事中で説明しますが、微信钱包は有効にできたものの、微信支付はまだ使うことができていません。
2016/06/20 微信支付に成功した続編はこちらから。
それではどうぞ、私の苦労話にお付き合いくださいm(_ _)m
日本版WeChatに微信钱包を出すには「友だちから送金してもらう」
まずは「あんたの苦労話なんか興味ないね」という方のため(;;)、日本版WeChatに支払機能(微信支付,微信钱包)を付ける方法を簡単に説明します。
「微信支付(WeChatペイメント)」は微信を使った支払いサービスの名称で、それに対し「微信钱包(WeChatウォレット)」はWeChatの機能の名称として使われています。ただ、全てをひっくるめて「微信支付」と言っている人も多いような気がします…
手順はたった一つ、それは「微信钱包を既に使っている友だちからお金を送ってもらう」です。
え?そんな簡単なの?
ええ、簡単というか、色々と試した結果、それしか方法がなかったのです…
「微信钱包(WeChatペイメント)を既に使っている友だち」が必要ですが、金額は1元でも大丈夫ですので、友人がいればぜひ頼んでみましょう。
「微信钱包」でできること
さて、この「微信钱包」、そもそも何ができるのでしょうか。
私もまだ十分には使いこなせていないのですが、こんな機能があるようです。
この中から、代表的な機能をいくつか紹介してみます。
WeChat送金
まずは、個人間でWeChatを利用したお金のやりとりができる「微信转账」です。日本語では「WeChat送金」とでも言えば良いでしょうか。
この「微信转账」、中国では友人にお使いを頼んだ時の代金支払い、病気になった時のお見舞い等々、友人同士などでのお金のやり取りに幅広く使われているようです。
上で紹介した「日本版WeChatに微信钱包を出す方法」で使うのもこの「微信转账」です。
微信转账の使い方はとても簡単、微信钱包から微信转账を起動し、送金する相手を選択します。
次に送金額を設定して、支払いパスワード(あらかじめ決めてある数字6桁)を入力したら、送金側はこれで完了です。
受け取り側のチャット画面にはこのような表示が現れます。
タップして表示される確認画面で确认收款(確認して受け取る)をタップすると、送金を受け取ることができます。
うーん、怖いぐらい簡単ですね^^;
WeChatお年玉
次は、いかにも中国らしい「微信红包(WeChatお年玉)」です。
近年ではこの「微信红包」を使えば遠く離れた友人にもお年玉を送ることができるということで、中国のお正月にはかなりの額の「红包」がやり取りされたというニュースもありました。
中国の「红包」は、日本のお年玉のように「親戚の年長者が子どもにあげる」という決まり事はないようです。
微信红包には、「1人あたり○元を×人に配る」というような標準的な機能のほかにも、送り主が100元などの一定額を1つの红包に入れて、受け取った側がそれを開封すると、100元の中からランダムな金額が当たる、という宝くじのような機能もあり、気前のいい老板からの年末ボーナスのような感じで楽しむという使い方もされているのだとか。
報道によれば、2016年の大晦日(除夕)から旧正月(春节)の2日間に、微信红包でのやり取りに参加したのは4億2000万人、微信红包の行き来は合計なんと80億8000万回に上ったとのことです。
ちなみに、微信红包はこんな感じで使います。
1.微信钱包から微信红包を起動する
「ランダムな金額」というのがクジ的要素のある红包で、「同額」とあるのが自分で決めた額を送る方法です。
2.金額と人数を設定する
「数量」に送る人数、それぞれの金額に1人あたりの金額を設定します。
設定ができたら「ラッキーマネーを準備する」をタップします。
微信的には红包の訳語は「ラッキーマネー」のようですね(^^
3.支払い方法を選択する
红包の支払い元を、今ある微信钱包の中から払うか、ひも付けした銀行口座から引き落とすかを設定します。
私はまだ銀行口座のひも付けをしていないので、「残高を利用して支払う」をタップします。
4.送信する
表示された红包画面で、「送信」をタップします。
5.送る相手を選択する
友だちリストから送る相手を選択します。
6.【受け取り側】メッセージで红包が届きます
受け取り側には、WeChatのメッセージで红包が届き、その红包をタップすればお金を受け取れます。
WeChat割り勘
次に使いそうなのは、「AA收款(割り勘集金)」でしょう。
「中国人は割り勘をしない」というのは、中国語を勉強していると良く聞く話ですが、最近では(特に都市部の若者は)気軽に割り勘をするようです。
個人的な感想ですが、地方都市や、私の世代(アラフォー)以上の人々は今でも割り勘を嫌がることが多いように感じます。その辺りは上手に「空気を読む」ことが必要ですね(^^;
しかも、割り勘で使うのはスマホの電卓、ではなくWeChatの「AA收款(割り勘集金)」なんだとか。
AA收款なら、割り勘でありがちな「小銭が足りない!」ということもなく、とっても便利なんだと言います。
AA收款の使い方も、ちょっと見てみましょう。
1.「AA收款」から「聚会AA」を起動する
微信钱包からAA收款を起動したら、「聚会AA」をタップします。
AA收款は中国語しかないようです。
会費制のパーティーなどで、金額が決まっている場合は下の「普通筹款」を使うようです。
2.1人あたりの金額を計算する
次に、かかった費用を人数で割って、1人あたりの金額を計算します。
実際には単純な割り算をするだけなのですが、分かりやすい画面になっているので便利ですね。
ここまでならスマホの電卓でもほとんど似たようなことができますが、ここからが「微信AA收款」のすごいところです。
3.そのまま友人にWeChat経由で請求する
この画面で次に進むと、なんとWeChat経由で友人に請求できてしまうのです。
請求の方法は、WeChatのメッセージで請求するか、
QRコードで支払画面を表示するかの2種類があります。
4.【支払う側】AA收款の請求がメッセージで届くので支払いをする
試しに現地の特派員にお願いして、AA收款を送ってもらいました。
幹事が集金メッセージを送信すると、こんなメッセージが届きます。
メッセージをタップすると、AA收款の支払い画面に移動します。
金額を確認したら「立即支付(いますぐ支払い)」をタップします。
支払い方法の選択画面して、「今すぐ支払う」をタップします。
あれ、画面が急に日本語になったけど…まあいいか(^^;
「Payment successful」という画面が表示されたら支払い完了です。(今度はなぜか英語…)
いちおう領収書も表示されます。
WeChatペイメント
次は、微信钱包の本命機能、「WeChatペイメント」です。
中国語で「微信支付」と呼ばれるこの機能は、中国のありとあらゆるお店で最近採用されています。
上の写真のように、お店のレジの横に微信支付のQRコードが掲出されているので、これをWeChatで読み取って支払をすれば小銭要らず、お店も偽札の心配がなく安心、ということのようです。
他にも豊富な機能がある「微信钱包」
他にも、携帯料金の支払いや、クレジットカードの返済、配車アプリとの連携等々、非常に多くの機能が微信钱包には搭載されていて、今では非常に強力な決済プラットフォームになっているようです。
微信钱包を出すまでに試したこと
さて、話を戻して、私のWeChatに微信钱包を出すまでに試してことごとく失敗した記録です。
大事なことなので繰り返しますが、これは「失敗した記録」なので、くれぐれも真似されて「下の説明の通りやったのにできなかった」とならないようお気をつけください。
逆に、「そこであれをすればうまく行ったのに…」という情報をお持ちの方はぜひ、コメントなどで教えてくだされば助かりますm(_ _)m
[×]画面表示を中国語に切り替える
まずネットで調べていて見つけたのが、「一度、WeChatの表示を中国語に切り替えると微信钱包が出るよ」という情報です。
さっそく、表示設定を中国語に変更してみました。
表示言語の設定変更は以下の方法で行います。
1.設定画面から「全般」をタップする
2.「言語」をタップ
3.「简体中文」を選択して「保存」をタップ
微信钱包あらわれず…
さて、中国語に設定を変えてみましたが、残念ながら微信钱包はあらわれませんでした…
引き続き挑戦を続けます。
[×]中国の電話番号にひも付け
次に、「中国在住の人たちと違うのは何だろう」と考えていて気づいたのは、ひも付けされている電話番号です。
ということで、中国の電話番号にひも付けを変えてみます。
もともとは私のWeChatIDは日本の携帯番号で登録されていたのですが、
中国の電話番号に登録を変更します。
今回、私が使っていたのは、中国でもLINEやTwitter,Gmailなどが使える香港・中国デュアルナンバーのSIM(販売終了)です。
SMS認証の後、変更が完了しましたが、
やはり微信钱包は現れず…
[×]中国版WeChatをインストール
なんとかして微信钱包を出してやるぞ、とだんだんムキになってきました(^^;
次に「微信の公式サイトからダウンロードするアプリと、Google Play版とでは機能に違いがあるのでは?」と気付きました。
ということで、ちょっとドキドキしながら微信の公式サイトから微信アプリをダウンロードしてインストールしてみることに。
Google Playを経由しないアプリのインストールにはリスクが伴います。どうしても必要な場合以外はGoogle Play以外からのアプリをインストールは控えることをお勧めします。
再インストールして、ログインしてみましたが、やはり微信钱包は出現せず…
中国版微信+中国の電話番号+中国語表示で、中国国内と全く同じ環境に揃えたと思ったのですが、何が悪いのか…
考えられるのが、今回使っているSIMは香港・中国のダブルナンバーSIMで厳密には中国のSIMではないこと、もしくは私のスマホに「微信钱包が無効」という設定が残っていて、中国版をインストールされてもその設定を読み込んでいること、ぐらいでしょうか。
さすがに短い中国滞在期間でこれ以上のトライは難しいということで、いったんこの件は保留にすることにしました。
[◯]友人からWeChat送金してもらう
さて、ほぼあきらめかけていた帰国前日、中国在住が長い友人と話していて、「なんか色々試したんだけど微信钱包がどうしても出なくて」と言ったら友人が「こっちからお金送ってみたら出るんじゃない?」と。
もしかして受け取れない可能性もゼロではありませんが、最悪受け取れなくてもいいよ、ということでさっそく挑戦してみます。
1元を送金してもらい、タップして受け取ると…
ついに微信钱包が出ました!
微信支付(WeChat支払い)ができない!?
と、こんな感じでやっとのことで、友人の助けで微信钱包を出すことに成功したのですが、ここで新たな問題が。
微信钱包が使えるようになったので、さっそく微信支付を利用しようとしてみると、こんな表示が。
どうやら、中国のキャッシュカードとひも付けしないと、微信支付などの機能は使えないようです。
同じく「滴滴出行」などの支払いにも使うことができませんでした。
試しに手持ちの中国キャッシュカードをひも付けしてみようと思いましたが、私の持っているカードでは、銀行窓口での申請が必要とのメッセージが出て、ひも付けに失敗><
次回はぜひ、この銀行キャッシュカードのひも付けを成功させて、微信支付を成功させたいところです(^^;
2016/06/20 微信支付に成功した続編はこちらから。