台湾南部の代表都市、高雄の美濃区には、台湾B級グルメ「板條」を出すお店がたくさんあるそうです。そんな板條を、台北でも食べられるお店があると言うので行ってきました。
板條(バンティアオ)=台湾コメきしめん?
まずは「板條(バンティアオ)」とはなんぞや、というお話から。
「板條」とは、米粉で作ったきしめんのような麺で、「客家(ハッカ)」と呼ばれる人々が主に食べる麺料理です。米へんの「粄條」と書かれることもあるそうです。
「客家(ハッカ)」とは、漢族(いわゆる中国人)の中でも、「客家語」を話す人々を指す分類です。台湾人のうち12%が客家だと言われています。厳密には独立した民族ではなく漢族の一支流ですが、独特の言語や文化を持っているので、独立した民族のように扱われることもあります。
台湾では特に、高雄市の美濃区で食べられる「板條(バンティアオ)」が非常に有名です。
高雄名物の板條が台北で食べられる「小辣椒魷魚羹」
ということで、台北教育大学に勤めるL教授の案内で、台北教育大学のすぐ北側にある、「小辣椒魷魚羹」というお店に連れていってもらいました。
高雄名物の「板條(バンティアオ)」が台北でも食べられるということで、地元では非常に有名なお店なのだとか。
側面の看板の美濃板條の方が断然目立っているので、来店する時はこちらを目印にするとよさそうです。
小さなお店に、外にあふれるほどにテーブル席が並んでいます。
お昼時ともなれば、行列ができるほどの、地元では有名なお店のようなので、まず迷うことはないでしょう。
みんな無心に麺をすすっています^^
「板條」=元祖台湾まぜそば?
L教授が手早く注文を済ませてくれ、しばらくして、お待ちかねの「板條(バンティアオ)」がやってきました。
「板條」には汁そば(湯麺)、まぜそば(乾麺)、焼きそば(炒麺)の3タイプがあります。
今回私たちが食べたのは、まぜそばタイプの「乾麺」です。
見た目はきしめんに似てはいますが、原料が米粉なので春雨のようなサッパリとした食感が特徴です。
少し甘めのタレがかかっていて、椀の底からよくかき混ぜてからいただきます。
板條のお店には必ず、その店オリジナルの特製ラー油がテーブルに備えられていて、マニアはそのラー油にも一家言あるそうです。
ちなみに最近、日本で流行っている「台湾まぜそば」は名古屋発祥の、台湾とは関係のない日本オリジナル料理。
こちらの「板條」こそが元祖「台湾まぜそば」と言ってもいいかもしれません。
スルメのあんかけスープも絶品!
そして、上の写真で「板條」の横にあるのが、このお店の名前にもなっている名物、「魷魚羹(スルメのあんかけスープ)」。
これが、見た目に反してメチャ旨でした!
肉厚のスルメが具になっていて、スルメの戻し汁のうまみがアツアツのスープにぎっしり溶け込んでいます。
スルメもプリっぷりでしかも、うまみがたっぷり残っているので、残すわけにはいかないと、トロみのおかげで冷めないスープを、汗だくになりながら必死でいただきました(笑
暑い日にも、涼しくなっても、プルンとした食感のピリ辛「板條」とアツアツ「魷魚羹」をふうふういいながら食べると、気分はすっかり台湾っ子です。