中国旅行・中国出張には人民元の現金が欠かせません。
特に中国では日本のクレジットカードやデビットカードが使えないことが多いので、どうしても他の国よりも多めの現金が必要になりますね。
そこで必要になるのが日本円から人民元への両替ですが、実はこの人民元への両替、両替方法によって最大で10%もの差がつくんです。
例えば3万円を人民元に両替すれば、手数料の差は最大でなんと3000円になることも。
うーん、この差はちょっと無視できませんね。
ということで、日本円を中国人民元に両替するときの為替レートがお得なのはどの方法なのか、空港の両替、クレジットカードの海外キャッシング、国際キャッシュカードなどを、レートだけでなく利便性も考えながら徹底的に比較してみました。
最初に:両替方法別に人民元への両替レートを一気に比較
単位は人民元で、金額の大きい方が有利なレートです。5万円利用時の両替額が有利な順に並べ替えています。両替場所、方法によってレートの基準となる通貨は異なりますが、比較のために単位を揃えています。
種別 | 両替場所 | 5万円 |
---|---|---|
宅配 | ドルユーロ | 約2,450元 |
現地ATM | JCBカード | 約2,444元 |
現地ショッピング | 三井住友銀聯カード | 約2,443元 |
現地ATM | イオンデビット(JCB) | 約2,442元 |
現地ATM | エポスカード(VISA) | 約2,395元 |
現地ATM | 楽天カード(Master) | 約2,392元 |
現地ATM | 住信SBIデビット(Master) | 約2,391元 |
現地ATM | 楽天デビット(VISA) | 約2,381元 |
国内銀行/空港 | (三菱UFJ)ワールドカレンシーショップ | 約2,312元 |
国内銀行/空港 | みずほ銀行 | 約2,302元 |
国内空港 | GPA(成田) | 約2,301元 |
宅配 | GPA(宅配) | 約2,301元 |
国内銀行/空港 | 千葉銀行 | 約2,301元 |
国内空港 | 関空直営 | 約2,266元 |
現地空港 | 中国工商銀行(空港) | 約2,266元 |
現地空港 | 中国建設銀行(空港) | 約2,265元 |
宅配 | トラベレックス(宅配) | 約2,265元 |
現地空港 | 中国銀行(空港) | 約2,261元 |
国内空港 | トラベレックス(店頭) | 約2,240元 |
日本の空港での両替手数料は10%~
日本で両替をする場合、両替レートは両替店によって若干異なるので、大きな空港では何軒か回って比較すると良いでしょう。ただ、私がこれまで見てきた様子では、ほとんどの両替所の両替手数料は基準レート+10%前後になっていました。
また、日本で両替をする場合、お札やコインの種類を指定できない場合が多くあります。本当は小銭をあらかじめ用意しておきたいところですが、細かい金種の用意がない両替所も多いので、やや不便に感じるところもあります。
一方で日本国内での両替は、言葉が通じるので安心なこと、空港での待ち時間に両替できることなど、メリットも少なくありません。
それで、空港到着してすぐに使うような当座のお金を少額両替しておくのに使うのがおススメです。
両替場所 | レート | 1万円 | 5万円 | 10万円 | 金種 |
---|---|---|---|---|---|
GPA(成田空港) | 21.73 | 約460元 | 約2,301元 | 約4,602元 | 100元,50元,10元 |
関空直営 | 22.07 | 約453元 | 約2,206元 | 約4,531元 | 100元,50元,10元 |
トラベレックス | 22.32 | 約448元 | 約2,240元 | 約4,480元 | 100元札のみ |
日本の銀行での両替手数料は空港とほぼ同じ
中国元を日本で両替する場合、銀行と空港の両替店のレートに大きな違いはありませんでしたが、日によってほんのわずかに銀行が有利な場合もあります。
主要空港では出張所や支店のある銀行もあるので、トラベレックスなどの両替所とレートを見比べるといいでしょう。
参考:日本国内の日本円→中国元の為替レート(銀行)
両替場所 | レート | 1万円 | 5万円 | 10万円 | 金種 |
---|---|---|---|---|---|
(三菱UFJ)ワールドカレンシーショップ | 21.63 | 約462元 | 約2,312元 | 約4,623元 | 100元札のみ |
みずほ銀行 | 21.72 | 約460元 | 約2,302元 | 約4,604元 | 100元札のみ |
千葉銀行 | 21.73 | 約460元 | 約2,301元 | 約4,602元 | 100元,50元 |
中国の空港での両替をオススメしない理由
中国元(人民元)を両替しようとする時、一番ポピュラーなのは中国の空港にある両替所や銀行窓口で両替する方法ですが、実は中国の空港の両替レートはあまり良くないんです。
中国の空港の両替店で人民元に両替すると、両替所によって異なりますがだいたい5%+50元程度の手数料が取られるので、実質レートは日本の両替所とほとんど同じか。やや悪いレートになります。
中国の空港で両替するメリットとしては、小銭を混ぜてくれるので、とりあえず街中で使う細かいお金が必要な時には便利かもしれません。
1万円ぐらいの少額の両替ならむしろ日本の空港で両替してしまった方が良いレートになりますね。
両替場所 | 公示レート | 1万円 | 5万円 | 10万円 |
---|---|---|---|---|
中国工商銀行(空港) | 4.8632 | 約413元 | 約2,266元 | 約4,582元 |
中国建設銀行(空港) | 4.8623 | 約413元 | 約2,265元 | 約4,581元 |
中国銀行(空港) | 4.8522 | 約412元 | 約2,261元 | 約4,571元 |
上海浦東空港の両替レートを比較してみました
意外と為替レートが良い宅配両替
試しに「ドルユーロ」という宅配両替会社のレートを調べてみると、手数料は人民元の場合で基準レート+約3%と、意外にも宅配両替会社のレートもかなり良いことが分かりました。
10万円未満では代引き手数料が700円がかかるとのことですが、それでも空港の両替店よりも実質レートがかなり良いです。
さらに、10万円以上両替時は送料無料になるそうなので、出発までに余裕があれば宅配両替も十分検討の余地あり、ですね。
両替場所 | レート | 1万円 | 5万円 | 10万円 | 配送料・手数料等 |
---|---|---|---|---|---|
ドルユーロ(宅配) | 20.12 | 約462元 | 約2,450元 | 約4,935元 | 代引手数料700円 |
GPA(宅配) | 21.73 | - | 約2,301元 | 約4,602元 | 送料手数料無料、 最低注文金額3万円 |
トラベレックス(宅配) | 21.64 | - | 約2,265元 | 約4,581元 | 最低注文金額3万円、 10万円未満は送料1,000円 |
人民元への両替レートが一番有利なのはクレジットカードの海外キャッシング
人民元への両替で一番レートが有利なのは、実は中国の空港などにあるATMを使ったクレジットカードの海外キャッシングなんです。
中国のATMは1回あたりの引き出し額が2000元~3000元程度に制限されているものがほとんどです。また、利用するカードによって1日あたりの引き出し額に制限がある場合もありますので、多額の現金が引き出す場合は日を分けてATMを利用することをおすすめします。
例えば、ATMで人民元を引き出してから次の引き落とし日までを40日として、その利息は約2%。
両替場所 | レート | 1万円 | 5万円 | 10万円 | ATM手数料 |
---|---|---|---|---|---|
JCBカード (ATM) | 20.06 | 約489元 | 約2,444元 | - | |
エポスカード VISA(ATM) | 20.38 | 約476元 | 約2,395元 | - | 1万円以下110円、 1万円超220円 |
楽天カード Master(ATM) | 20.40 | 約470元 | 約2,392元 | - | 110円/220円 |
わーとら!イチオシの海外旅行用クレカはEPOSカード
Visaデビットカード・国際キャッシュカードでの両替もオトクで便利
国際キャッシュカード(Visaデビットカード)の人民元への両替手数料は2%~4%と、やはり空港での両替よりかなり有利です(カード発行銀行によって異なります)。
両替場所 | レート | 1万円 | 5万円 | 10万円 | 手数料等 |
---|---|---|---|---|---|
イオンデビット JCB(ATM) | 20.06 | 約480元 | 約2,442元 | - | 220円+1.6% |
住信SBIデビット Master(ATM) | 20.40 | 約478元 | 約2,391元 | - | 2.5% |
楽天デビット VISA(ATM) | 20.38 | 約476元 | 約2,381元 | - | 3.08% |
海外専用プリペイドカードの手数料は3~5%
海外専用プリペイドカードは、両替手数料が3%~5%かかりますが、手軽に発行出来て、現地のATMでも便利に使えるのが魅力です。
番外:中国でも使える「銀聯クレジットカード」なら現金不要でレートもオトク
中国ではVisaやMastercard、JCBなどのクレジットカードが使える場所がかなり限られていますが、その代わりに中国独自のクレジットカード「銀聯カード」が使える場所がかなり多くあります。
日本人でも作れる「三井住友銀聯カード」などを作って持っていくと、現金の持ち歩きを最小限にできるので便利ですよ。
参考までに、三井住友銀聯カードで買い物をした場合の為替レートを比較してみます。
両替場所 | レート | 1万円 | 5万円 | 10万円 | 手数料 |
---|---|---|---|---|---|
三井住友銀聯カード (ショッピング) | 19.96 | 約489元 | 約2,443元 | 約4,887元 | 2.5% |
おまけ:お得に人民元に両替するために知っておくと便利なこと
ここでは日本円を人民元に両替する際の「定率」の手数料と「定額」の手数料の2種類について解説したいと思います。
少額を両替する時は「定額」手数料に注意
定額の手数料とは「〇〇円」や「〇〇元」と円や元で表記されている手数料で、ほとんどの場合1回ごとの両替にかかる手数料です。
手数料がこのように表記されている場合、少額を両替すると実質レートがかなり悪くなることがあるので、注意してください。
大きな額を両替する時は「定率」手数料に注意
定率の手数料とは「基準レート+〇〇%」というようにパーセントで表示されているもの。
金額がいくらでも手数料の割合が同じなので、計算しやすいですが、一度にたくさん両替する時には無視できなくなることもあるので、気を付けたいところです。