日本人の旅行先やワーキングホリデー(ワーホリ)先として人気の国の中で、オーストラリアはちょっとだけ準備が面倒な国の一つです。
オーストラリアといえば日本人も数多く旅行で訪れる人気の旅行先なのになぜ?という気もしますが、こればっかりはオーストラリア政府の決めることなので仕方がないですね。
まず、現在のところオーストラリアには短期の旅行でも全ての人がビザを申請しなければいけません。
また、入国時に記入する入国カードも他の国と比べると記入事項が多いですし、入国時の手荷物持ち込み検査が世界一とまで言われるほど厳しいことで知られています。
それで、オーストラリア旅行に限っては、しっかり下調べをせずに行ってみたら入国時にあたふたしてしまったという話も珍しくありません。
入国トラブルを回避して楽しいオーストラリア旅行をスタートするため、事前に知っておきたい入国時の手続きのうち、
- ビザをネットで申請する方法
- 入国カードの書き方
- 税関申告書の書き方
をまとめました。
初めてオーストラリアに行かれる方、ワーホリや留学に行かれる方、必読ですよ!
オーストラリアの入国カードはどこでもらえる?
オーストラリアの入国カードは主に2つの方法で入手することができます。
- オーストラリア行き飛行機の機内で配布される
- 入国審査場の手前に置いてあるものを使う
通常は現地到着の少し前になると機内でCAさんが配布してくれるので、それを使えばOKです。
機内でもらい損ねたり、書き損じてしまったとしても大丈夫。オーストラリアの空港に到着後、入国審査場の手前には必ず入国カードが設置されているので、そこで記入することもできますよ。
旅行代理店によっては入国カードを事前に配布される事があるようですが、予告なくカードの内容が変更されていたりするとトラブルの元になるので、機内で配布されるものか入国時に手に入る最新のものを使って記入するのが安心ですね。
オーストラリアに出国カードはある?
以前にはオーストラリア出国時に「出国カード」が必要だったため、古い情報を参考にしていると出国カードについての記載がある場合があります。
しかし、オーストラリアの出国カードは2017年7月から廃止され、現在はカードの提出もなくなったので出国手続きがスムーズに進むようになっています。
オーストラリアの入国カードに日本語版はある?
JAL航空、カンタス航空などの日本からの直行便を利用する場合、機内では日本語版のオーストラリア入国カードを入手することができます。
まれに日本人に見えなくて(?)入国カードをスルーされることもありますので、CAさんに声を掛けて日本語の入国カードを受け取っておくと、英語版より簡単に記入できますね。
日本語の入国カードをもらいそこねてしまった、という場合はこの記事の中ほどに記載例を掲載していますので、そちらを参考にチャレンジしてみてください。
オーストラリアの入国カードにPDF版はある?
オーストラリア入国カードのPDF版は公式に用意されていません。
個人サイトで印刷版を出しているものがありますが、自分で印刷したものは認可されないので必ず機内でもらうか、入国審査場の手前に置いてある入国カードを利用して記入しましょう。
オーストラリアに短期滞在するにはETAS(イータス)を発行しよう
オーストラリアに入国するには、たとえ短期の滞在であってもビザを取得する必要がありますが、日本国籍の方の3ヵ月以内の滞在であればETAS(イータスもしくはイータ)という電子ビザシステムを利用することで比較的カンタンにオーストラリアのビザが取得できます。
ETASは出発の72時間前まで申請ができ、アプリを使ってカンタンに手続きができるので、ぜひ挑戦してみましょう。
ETAS(イータス)の申請方法
オーストラリアETASは専用ホームページから24時間申請できます。
申請に必要なものは下記の3点と費用(申請料金は20豪ドル)です。
- 有効なパスポート
- クレジットカード
- Eメールアドレス
ETAS(イータス)を発行する際に注意すること
ETASは一回の入国につき滞在期間が3ヵ月以内で、有効期限は1年間です。
渡航者全員の取得が必要で、他のオーストラリアビザを持っていないことが条件となります。
ETASは一度登録をしてしまうと内容の修正ができないので、間違えてしまった場合はもう一度申請し直すことが必要です。
この申請は何度でも行うことができますが、申請のたびに支払いが必要となりますので入力ミスがないように気を付けましょう。
ETAS(イータス)の申請方法
- サイトの中央に表示されている「ETASの申請を始める」をクリック。
- ETASの種類と現在住んでいる国を選択
- 個人情報を入力
姓、名は大文字のアルファベットで入力します。
生年月日、性別、国籍、出生国、犯罪歴、パスポート発行日、有効期限、パスポート番号などを入力します。
入力情報を間違えていないか一度よく確認しましょう。
4. 連絡先情報を入力
メールアドレスや自分の住所を入力します。住所は英語で入力します。数字入力に対応していないため、番地などは英語表記に直します。(例:5→five)
ここでも入力間違いがないかしっかり確かめましょう。
5. お支払い情報の登録
クレジットカード情報を入力し、システム使用料として20豪ドルを支払います。
支払いが完了すると、レシート画面が出てきます。
6. 確認画面
支払いも完了しETASも発行されると、こちらの画面に参照番号、有効期限、滞在許可日数などが表示されます。
必ず参照番号は控えておきましょう。
この番号があればいつでもETAS登録状況を確認することができます。
オーストラリアの入国カードの書き方
入国カードの書き方を説明しますね。
記入の際には黒か青のボールペンを使いましょう。
入国カード表面の書き方
オーストラリア入国カードの英語版しか入手できないこともあるので、英語表記と日本語表記をまとめてみました。
表記番号 | 英語 | 日本語 | 記入時のポイント |
---|---|---|---|
1 | Family/Surname | 姓 | 大文字のローマ字で記入 |
2 | Given names | 名 | |
3 | Passport number | パスポート番号 | アルファベットと数字をすべて記入 |
4 | Flight number or name of ship | 飛行機の便名 | アルファベットと数字からなる便名 (搭乗券に記載あり) |
5 | Intended address in Australia | ホテルの住所など滞在先の住所 | 事前にスマホなどに情報をメモしておくと便利。 |
6 | YOUR SIGNATURE | パスポートと同じ署名 | |
7 | Day Month Year | 日 月 年 | 日付から先に書く (記入例:2018年3月1日→01 03 2018) |
記入時の注意点
入国カードには必ず滞在先の住所を記入する必要があります。
記入していないと入国審査の時に質問を受けることになります。
トラブルを避けるためにも必ず飛行機に乗る前までに調べてスマホなどに情報をメモしておきましょう。
入国カードの左側の書き方
入国カードの左側はすべて質問に「はい」か「いいえ」で答える方式です。
英語 | 日本語 | 記入ポイント |
---|---|---|
Do you intend to live in Australia for the nexst 12 month? | オーストラリアに向こう1年に渡って滞在する予定ですか? | ETASのビザを持っている人は「いいえ」 |
If you are NOT an Australian citizen | オーストラリアに国籍を持っていないか | オーストラリアの国籍を持っていない人は「いいえ」 |
Do you have tuberculosis? | 結核にかかっていますか? | |
Do you have any criminal conviction/s? | 犯罪歴がありますか? | ※書き方は下記参照 |
犯罪歴がある場合の入国カードの書き方
オーストラリアの入国カードでは犯罪歴があるかどうか申告する必要があります。
この犯罪歴は「起訴されて有罪判決になった」場合を指します。
逮捕されているが起訴されていない、あるいは有罪判決を受けていなければ申告する必要はありません。
交通違反なども記入する必要はありません。
該当する犯罪歴がある場合は、ビザ申請時はもちろん入国カードにも正直に申告する必要があります。
入国時には質問を受けることを想定しておきましょう。
どういった犯罪履歴があるのか英語で説明できるように準備しておくと安心です。
犯罪歴があっても入国拒否されないことがあります。
入国カードの右側の書き方
入国カードの右側では「下記の物品を持ち込もうとしていますか」との質問に「はい」か「いいえ」で答えていきます。
英語 | 日本語 |
---|---|
Goods that may be prohibited or subject to restrictions such as medicines steroids firearms weapons of any kind or illicit drugs? | 禁止または規制されているもの 医薬品、ステロイド、鉄砲、武器、不法な薬物 |
More than 2250mL of alcohol or 250cigarettes or 250g of tobacco products? | 2250mlを超えるアルコール類、または紙巻たばこ250本または250gを超えるたばこ製品 |
Goods obtained overseas or porchased duty andor tax free in australia with a combined total price of more than AUD900 including gifts? | 贈答品を含めて海外で入手した品物、あるいはオーストラリアの免税店等で購入した物品で、合計が900.0オーストラリアドル (約63,360円)を超える |
Goods/samples for business/commercial use? | 業務/営業目的の物品/見本 |
AUD10000 or more in Australia or foreign currency equivalent? | オーストラリアドルまたは外貨で10,000.0オーストラリアドル (約704,000円)相当以上 |
Any food-includes dried fresh preserved cooked uncooked? | すべての食物-乾燥、生鮮、保存加工、調理済、未調理を含む |
Wooden articles plants parts of plants traditional medicines or herbs seeds bulbs straw nuts? | 木製品、植物、植物の部分、伝統的な医薬品、薬用、食用および香辛料の草本植物、種子、球根、藁、ナッツ類など |
Animals parts of animals and animal products including equipment eggs biologicals specimens birds fish insects shells bee products pet food? | 器具、卵、バイオテクノロジー製品、標本、鳥、魚、昆虫、貝殻、蜂製品、ペットフードを含む動物、動物の体や毛の一部、およびそれらを使用した動物製品 |
Soil or articles with soil attached ie sporting equipment shoes etc? | 土、またはスポーツ用品、靴などのような土の付着した物品 |
Have u visited a rural area or been in contact with or near farm animals outside Austrarila in the past 30 days? | 過去30日以内にオーストラリア以外の国で農業地域を訪れた、または家畜に触ったりその近くに行ったか |
Have you been in Africa or South America in the last 6 days? | 過去6日以内にアフリカ、または南米に行ったか |
オーストラリアは医薬品や食品の持ち込み検査が厳しい
オーストラリアは入国時の医薬品や食品(口に入るもの全般)の検査が世界一厳しいと言われています。
入国カードに記載されている品目は必ず申告しないといけません。申告を怠ると罰金や没収の対象になってしまいますので十分に注意してください。
服用している薬がある時の記入方法
たとえただの頭痛薬だったとしても申告していないと没収や罰金の対象になってしまうことがあります。
表面の1番「禁止または規制されているもの。医薬品、ステロイド、鉄砲、武器、不法な薬物」で「はい」にマルを付けます。
空欄に薬の種類(例:頭痛薬、胃薬など)を英語で記入しておくと、入国チェックの際に「なんのために飲む薬か?」と聞かれたときにそれを見せるだけで済みます。
オーストラリア大使館のサイトでは以下の指示があります。
- かかりつけのお医者様を通じて、使用医薬品名と処方量を記入した英文の処方箋、もしくは診断書をご準備ください。
- 医薬品は調剤された包装状態のまま、ラベルをはがさずにお持ち込みください。
- 持ち込み可能な医薬品の分量は最大3ヵ月分です。
持ち込み禁止の薬、事前に申告が必要な薬の一覧は大使館のサイトから確認することができます。
申告が必要な食品例
申告が必要な食品をまとめました。
食品名 | 持ち込みなどの制限有無 |
---|---|
お米 | 市販、未開封で脱穀してあるものは持ち込み可能 |
玄米 | 事前に輸入許可の申請・取得が必要 |
醤油、味噌、マヨネーズ | 市販のもので未開封のものは持ち込み可能 |
乳児用粉ミルク | 10㎏まで持ち込み可能 乳児同伴に限り、さらに調乳済みのミルク1瓶も持ち込み可能 |
粉末のだしなど | 未開封の市販品は持ち込み可能 |
梅干し、漬物 | 自家製の梅干しで種が入っているものは持ち込み不可 |
カップ麺、インスタント麺 | ラーメンはインスタント製品で、長期常温保存可能であれば持ち込み可能 うどんは持ち込み可能で、申告も不要 |
ペットフード | サケ科以外の魚(頭、内臓が除去されている)を原材料とするレトルト、缶詰製品は持ち込み可能 サケ科の魚、頭と内臓が除去されていない魚(煮干しなども含む)は事前に輸入許可の申請が必要 |
手続きの際に余計なトラブルを避けるためにも、ここに挙げたもの以外でも判断に迷う持ち込み品は申告しておくことをおすすめします。
入国カードの裏面の書き方について
入国カードの裏面の書き方のポイントをまとめました。
表記番号 | 英語 | 日本語 | 記入ポイント |
---|---|---|---|
8 | Your Contact Details in Australia | オーストラリアにおける連絡先 | 英語で記入 |
9 | In which country did you board this flight or ship? | この航空機または船舶に搭乗した国 | 日本からの直行便ならJAPANと記入 ほかの国から乗り継いだ場合はその国名 |
10 | What is your usual occupation? | 職業 | 下記の表を参考 |
11 | Nationality as shown on passport | パスポートに記載されている国 | JAPANと記入 |
12 | Date of birth | 生年月日 | 日付から先に記入 |
13 | Emergency contact details(Family or Friend) | 緊急連絡先(家族、友人など) | 電話番号は最初の0を取り+81を付け足す |
14 | Your intended length of stay in Australia | オーストラリアでの滞在予定期間 | 正確な日数を申告 |
15 | Your country of residence | 居住国 | JAPANと記入 |
16 | Your main reason for coming to Australia | オーストラリアを訪れる主な理由 | あてはまるものにチェック |
入国カード記入時の注意点
入国カードの住所の書き方は日本語の書き方と逆で、番地から記入します。
例)千葉県千葉市武石町1-288なら1-288 TAKESHI-CHO CHIBA-CITY CHIBA JAPAN
となります。
8の欄には、滞在するホテルなどの連絡先を記入しましょう。電話番号は書かなくても大丈夫なようです。
10の欄(職業)については下の英語表記を参考にしてください。
日本語 | 英語 |
---|---|
学生 | STUDENT |
主婦 | HOUSEWIFE |
会社員 | COMPANY EMPLOYEEまたはOFFICE WORK |
国家公務員 | GOVERNMENT OFFICIAL |
農業 | FARMER |
無職 | NONE |
パート・アルバイト | PART TIME JOB |
ワーキングホリデーで滞在するときの入国カードの書き方
オーストラリアにワーキングホリデーで滞在する予定の方は入国カードを記入する際に次の点に注意してください。
入国カード表の左側
入国カード表の左側にある「オーストラリアに向こう1年に渡って滞在する予定ですか?」の質問に、「はい」とチェックします。
入国の際に質問を受ける可能性が高くなりますので、ワーホリで滞在することを英語で伝えられるように準備しておくといいですね。
入国カード裏面
ワーキングホリデーの方は「旅行者または一時入国者」に該当するので、入国カード裏面のB欄に「オーストラリアでの滞在予定期間」を記入する必要があります。
まだ滞在期間を決めていない方はとりあえず1年と記入しておきます。
次に、Bの下の囲みの部分の「オーストラリアを訪れる主な理由(チェックは一つのみ)」は7の休暇にチェックを入れます。
オーストラリアの入国審査は「スマートゲート」が便利
オーストラリアには入国審査が自動化された無人自動出入国管理システム「スマートゲート」が導入されています。
入国審査というと、長い列に並びながら何を聞かれるかドキドキしながら順番待ちをするイメージですが、スマートゲートを使ったらノンストレスで入国できます。
スマートゲートはeパスポート(ICチップが入っているもの)を持っている人向けに、以下の8カ所の空港で入国審査専用スマートゲートが設置されています。
- シドニー
- ブリスベン
- ケアンズ
- ゴールドコースト
- メルボルン
- パース
- ダーウィン
- アデレード
スマートゲートの利用方法
スマートゲートは以下のように利用します。
- ゲートに入り、「e Passport holders」「e Passport Self-service」と書かれた案内に従って進みます。
- 機械の前で、パスポートの顔写真が入ったページを開いて伏せた状態で、ICチップの入った部分を先にして挿入します。
- 画面に表示されるいくつかの質問に回答します。(画面表示は日本語なので安心してください)
- 手続きが完了すると、カードが一枚発行されます。カードの下に自分の名前が記載されていますので確認しましょう。
- カードを持って表示通りに進んでいく
- 自動ゲートの前に立ち、発行されたカードを右手側の挿入口に入れる
- 指示されたとおりにまっすぐ前を向いてゲートに設置されているカメラを見る
機械でパスポートの人物と同一であることが認識されると、先ほど挿入したカードがまた出てきます。 - カードを受け取るとゲートが開きます。
このカードは税関を通る際に入国カードと一緒に提出する必要があるので手元にそのまま持っていましょう。 - ゲートを通過したら入国審査完了です!
スムーズに通過できれば5-10分程度で入国審査を完了することができますよ。
まとめ
オーストラリアへの入国は、ETASのビザやスマートゲートの導入もされたこともあり、入国カードの書き方と内容を知っていればスムーズに入国できます。
オーストラリアは検疫が厳しいので持ち物の申告は漏れがないようにくれぐれも気を付けてくださいね。
それでは楽しいオーストラリア旅行を!