中国人観光客が使うというイメージの強い「銀聯カード」ですが、日本人でも作ることのできる銀聯カードが何種類かあります。
中国出張や旅行に便利な、日本でも作れる銀聯カードについてまとめてみました。
日本で銀聯カードを作るメリット
最近、「爆買い」などのキーワードと一緒に目にする、耳にすることの多い「銀聯カード」。その銀聯カードを、日本でも(日本人でも)作ることができます。
特に中国出張の多い人には日本で銀聯カードを作るメリットがあると言えそうです。
中国では、VisaやMasterなどのクレジットカードが使えるお店はかなり限られているので、銀聯カードを持っていないとほとんどすべての支払が現金払いになります。
現金払いは面倒な上に偽札のリスクもあり、できればその機会を減らしたいもの。
そんな時に銀聯カードがあれば、現地のほとんどのお店でカード払いができ、利便性も安全性も向上します。
日本では使えないことも
最近は日本でも銀聯カードが使えるお店も増えてきましたが、日本で作った銀聯カードは使えないこともあるようです。
参考記事:三井住友銀聯カードがセブンとローソンで使えない件(mixiみんなの日記)
2018/4/29追記
2018年4月初旬、三井住友銀聯カード保有者に向けて「これまで三井住友カード発行の銀聯カードは暗証番号入力とサインが必要な加盟店でのみご利用いただけましたが、この度コンビニエンスストアなど暗証番号入力が不要な国内外の「銀聯クレジット決済」加盟店やインターネット商取引サイトなどの「銀聯EC」加盟店でもご利用が可能となり、益々利便性が向上いたしました。」との案内が届いています
日本の銀聯カードは3タイプ
日本で作れる銀聯カードには、以下の2種類があります。
- 銀聯クレジットカード
- 銀聯デビットカード
銀聯クレジットカード
銀聯クレジットカードは、通常のVisaやMaster、JCBなどのクレジットカードと全く同じように使えます。中国出張時に店頭でカードで支払いをすると、翌月以降の支払い時に日本の銀行口座から引き落としされます。
為替計算はおおむね、ショッピング利用後の決まった時点(当日~数日後)で行われることが多いようです。
ただし、日本で発行されている銀聯クレジットカードは全て、中国のATMでの現金引き出し(海外キャッシング)には対応していないので、現金が必要な場合は他の手段で両替が必要です。
銀聯プリペイドカード
銀聯プリペイドカードは、あらかじめ指定された口座に一定額を入金すると、その金額がカードにチャージされ、電車・バスのプリペイドカードのように、その残高の範囲内で買い物ができるカードです。追加チャージも可能です。
入金した金額はカード内に日本円でチャージされ、利用するたびに為替計算された金額が残高から差し引かれます。
中国での買い物の際は、他の銀聯カードと同じように利用できるので、現金を扱う煩わしさやリスクを減らすことができます。
また、プリペイドカードは審査が不要、未成年でも発行可能なので、子どもの海外留学などに持たせる銀聯カードとしても便利です。
銀聯デビットカード
デビットカードとは、クレジットカードのように使えるキャッシュカードのことで、中国銀行や中国工商銀行の在日支店(日本にある支店)に口座を開設するとこの銀聯デビットカードを発行してもらえます。
また、日本で作る銀聯デビットカードは、人民元口座からの引き落としも可能なため、為替両替のタイミングを見計らってお得なレートで銀聯カードを使うこともできます。
日本の銀聯カード一覧
2017年9月現在、日本で発行できる銀聯カードには、銀聯クレジットカード5種類、銀聯デビットカード2種類があります。
日本人向け”超定番”:三井住友銀聯カード(クレジット)
日本で発行できる最もスタンダードな銀聯カードが「三井住友銀聯カード(ぎんれんカード)」です。
クレジットカードなので審査がありますが、日本で唯一の単独発行できる銀聯クレジットカードで、三井住友カードが発行元という安心感があります。
三井住友銀聯カードの◎と×
- ◎単独発行できる
- ◎三井住友カード
- ×審査がある
- ×空港ATMが利用不可
三井住友銀聯カード(ぎんれんカード)
MUFG銀聯カード(クレジット)
東京三菱UFJ系列の銀聯カードであるMUFG銀聯カードは、三菱UFJニコスが発行する銀聯クレジットカードです。
既にMUFGカードを持っている人向けの「サブカード」として発行されます。
また、MUFGゴールドカード以上のカードのサブカードとして申し込むと、券面がゴールドの「銀聯ゴールドカード」が発行されます。
JALマイルが1000円利用ごとに4マイル貯まるので、これまで中国での買い物を現金払いにしてマイルを取りこぼしていた人にはオススメのカードです。
リクルートカード(VISA)など、年会費が無料のカードとセットで申しこめば年会費の節約も可能です。
MUFG銀聯カードの◎と×
- ◎三菱UFJグループ
- ◎JALマイルが貯まる
- ◎ゴールドカードも発行できる
- ×単独発行できない
- ×審査がある
- ×空港ATMが利用不可
リクルートカード(VISA)
ANA銀聯カード(クレジット)
ANA銀聯カードは、ANA VISA/Master/Suicaカードを持っている人が発行できるサブカードという位置づけになっています。
ANAマイルが1000円ごとに5マイル貯まるので、中国系ANA陸マイラーにはオススメの1枚と言えるでしょう。
ANA銀聯カードの◎と×
- ◎ANAマイルが1000円につき5マイル貯まる
- ×単独発行できない
- ×年会費が無料にならない
- ×審査がある
- ×現地のATMが利用不可
限度額300万円!三井住友銀聯《プラチナ》カード(クレジット)
通常の「三井住友銀聯カード」は限度額が最高でも80万円なので、場合によっては限度額を超えてしまうことがあるかもしれません。
でも、この三井住友《プラチナ》銀聯カードは限度額が最低300万円となっているので、気兼ねなく利用することができますね。
この三井住友《プラチナ》銀聯カードは三井住友VISAプラチナカードのサブカードとして発行されます。
三井住友《プラチナ》銀聯カードの◎と×
- ◎限度額が300万円~
- ◎《PLATINUM》の券面
- ×空港ATMが利用不可
九州銀聯カード(クレジット)
九州銀聯カードは実質的には三井住友銀聯カードと同じですが、九州カードのサブカードとして発行されるカードです。
九州銀聯カードの◎と×
- ◎九州カードを持っていれば簡単に発行できる
- ×現地のATMが利用不可
中国銀行在日支店(デビット)
中国銀行(Bank of China)が日本の東京・大阪などに設置している在日支店に口座を開設すると、銀聯マークのついたキャッシュカードが発行されます。
これは銀聯デビットカードとして、中国でも日本でも銀聯マークの掲示されている店舗で利用できます。
また、口座連動サービスを申し込めば、中国での買い物は人民元口座から、日本での買い物は日本円口座からそれぞれ引き落としされるように、またどちらかの口座残高が足りなければもう一方の口座から引き落とされるようにもできます。
また、、中国銀行の中国側支店の口座にお金があり、それを日本円に引き出したい場合(または日本⇒中国の場合も)、中国銀行のインターネットバンキングで送金手続きができるようです。詳しくはこちら⇒中国銀行で海外送金
ただし、他行ATMから入金不可なので、中国銀行(Bank of China)が近くにないとかなり使い勝手は悪いですね。
中国銀行の銀聯カードの◎と×
- ◎審査不要
- ◎使いすぎ、カード犯罪対策に
- ◎現地のATM利用OK
- ◎人民元口座から引き落としすれば為替変動の影響を低くできる
- ×申し込みは来店か郵送
- ×他行ATMから入金不可
中国工商銀行在日支店(デビット)
日本にはもう一つの中国系銀行、中国工商銀行が東京・大阪に支店を持っています。こちらの店頭で口座を開設すると、銀聯デビットカードが発行されます。
中国工商銀行の銀聯デビットカードも、中国・日本両方の銀聯マーク掲示店で利用できます。
中国工商銀行にも口座連動サービスがあるので、中国で利用した場合は人民元口座から、日本で利用した場合は日本円口座から引き落としするようにできます。
人民元口座の残高が足りない時に日本円口座から融通する、またその逆の機能もついています。
ただし、中国工商銀行は東京と大阪にしか支店がなく、来店での口座開設のみのようですので、利用できる人はかなり限られそうです。
中国工商銀行の銀聯カードの◎と×
- ◎審査不要
- ◎使いすぎ、カード犯罪対策に
- ◎現地のATM利用OK
- ◎人民元口座から引き落としすれば為替変動の影響を低くできる
- ×申し込みは来店のみ
- ×他行ATMから入金不可
まとめ:中国旅行、中国出張のお供に日本の銀聯カード
まとめてみると以外にも日本で発行できる銀聯カードはいくつもの種類がありました。
自分の利用スタイルに応じて銀聯カードを作っていけば、中国旅行、中国出張がもっと便利になりますね。