マドリード地下鉄を徹底解説 路線図・切符の買い方・乗り方まで詳しく紹介します

スペイン・マドリードを観光するのに使いこなすと便利なのが、マドリード地下鉄(Metro de Madrid)。

この記事ではマドリード地下鉄の路線図や運行時間・運賃、さらにきっぷの買い方から地下鉄の乗り方まで最新情報をご紹介します。

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DASHi@わーとら!管理人

旅ブロガー。中国地方の某県を拠点に、のんびり地方暮らしをしつつ業務やプライベートで海外と日本を行ったり来たりする日々を続けて20年、行った旅行先はアジア~北米・ヨーロッパを中心に20ヶ国以上になります。このブログでは旅から気づいた情報を発信しています。本業はフリーランスのソフトウェアエンジニア、趣味は海外鉄道の乗り歩き。

マドリード地下鉄(メトロ)を使いこなせばマドリード観光がとても便利に

マドリード地下鉄のプラットホーム

マドリード市内のみならず、郊外にまで路線を延ばしているマドリード地下鉄(地元では「メトロ」と呼ばれています)、路線数は12路線(+1支線)ととても充実していて、マドリードの主なポイントのどこに行くにもとても便利です。

スペイン語の他に英語の案内もある公式サイトを使いこなそう

2018年11月にリニューアルされたマドリード地下鉄の公式サイトにはスペイン語の他に英語表記もあるので、路線図や運行時刻、運賃などを調べるのにとても便利です。

マドリード地下鉄の路線図

マドリード地下鉄の駅で配布されている印刷版の路線図

マドリード地下鉄の路線図は、公式サイトからPDFがダウンロードできます。

また現地での持ち歩き用に、マドリード地下鉄の各駅で無料配布されている紙の路線図をもらっておくと便利です。

目的別地下鉄マップ

公式サイトには、目的に応じた何種類かのレイアウトのマップが用意されているので、自分の好みのものをダウンロードして予習するのも楽しいですね。

①マドリード地下鉄路線図

日本の地下鉄路線図に近いイメージの、いちばんオーソドックスな路線図

Schematic Map of the Subway Network (744.38 KB)(PDF)

②観光マップ

空港やマドリード市内の主要な観光地の最寄り駅を示したマップ。観光地への行き方が分かりやすい。

Touristic Map of the Metro Network (2.56 MB)(PDF)

③路線図付きマドリード市内・郊外マップ

マドリード市内・郊外の地図に地下鉄・ライトレールの路線を示したマップ。地下鉄駅の地図上の位置を把握するのには便利。

Metro de Madrid Map with cartographic basis (2.37 MB)(PDF)

④「メトロスール」路線図

マドリードの南西部郊外にある12号線「メトロスール」の専用路線図

MetroSur Map with cartographic basis (529.91 KB)(PDF)

⑤「メトロ・リヘロ」2・3号線路線図

マドリード北西部郊外へ伸びる「メトロ・リヘロ」(LRT)2・3号線の路線図

Metro Ligero Oeste Map with cartographic basis (2.37 MB)(PDF)

マドリード地下鉄公式アプリ

マドリード地下鉄公式アプリ「Metro de Madrid Oficial

マドリード地下鉄の路線はちょっと複雑で、例えば空港から市内中心部に出るにも必ず乗り換えが必要です。

それで、マドリード旅行に出かける前には、路線図や運賃、運行時間などがスマホで確認できるマドリード地下鉄の公式アプリ「Metro de Madrid Oficial」をダウンロードしていくととても便利です。

マドリード地下鉄の路線紹介

Madrid Metro Map

マドリード地下鉄には12本の路線と、1つの短い支線があり、マドリード市内だけでなく郊外にまでその路線を延ばしています。

路線名始発駅終着駅
1号線ピナール・デ・チャマルティン(Pinar de Chamartín)バルデカーロス(Valdecarros)
2号線ラ・エリーパ(La Elipa)クアトロ・カミーノス(Cuatro Caminos)
3号線ビジャベルデ・アルト(Villaverde Alto)モンクロア(Moncloa)
4号線アルグエージェス(Argüelles)ピナール・デ・チャマルティン(Pinar de Chamartín)
5号線アラメダ・デ・オスーナ(Alameda de Osuna)カサ・デ・カンポ(Casa de Campo)
6号線環状線
7号線ピティス(Pitis)オスピタル・デル・エナーレス(Hospital del Henares)
8号線(空港線)ヌエボス・ミニステリオス(Nuevos Ministerios)アエロプエルトT4(Aeropuerto T4)
9号線エレーラ・オリア(Herrera Oria)プエルタ・デ・アルガンダ(Puerta de Arganda) – アルガンダ・デル・レイ(Arganda del Rey)
10号線オスピタル・デル・ノルテ(Hospital del Norte)トレス・オリーボス(Tres Olivos) – プエルタ・デル・スール(Puerta del Sur)
11号線プラサ・エリプティカ(Plaza Elíptica)ラ・ペセータ(La Peseta)
12号線メトロスール(MetroSur)
R線オペラ(Ópera)プリンシペ・ピオ(Príncipe Pío)

※駅名の日本語表記はWikipediaより

1.1kmの短距離を走る「R線」

マドリード地下鉄の「R線」は、Ópera駅(2・5号線)とPríncipe Pío駅(6・10号線)の間をつなぐわずか1.1km、所要時間2分の連絡線です。
1.1kmというと無理すれば歩ける距離のように感じますが(ちなみに渋谷駅の埼京線~東急東横線の乗り換えは約800m)、R線はこの短い距離にあえて列車を走らせている、とてもユニークな路線なんです。

マドリード郊外を走るライトレール「メトロ・リヘロ」

Madrid Metro Ligero - Las Tablas

マドリード地下鉄の路線図を見ると、マドリードの北部に白抜き文字の「①」「②」「③」という路線があります。

これは、マドリード郊外を走る「メトロ・リヘロ」というライトレール(LRT)路線です。

かなり郊外を走るため、観光で使うことは少ない路線ですが、地下鉄の「①」「②」「③」と見間違えないようにだけ気をつけましょう。

マドリード地下鉄のゾーン

マドリード地下鉄のゾーン区分

マドリード地下鉄は、上の地図で中央部分(白地)にあたる「ゾーンA」(ZONA A)とその周辺の「ゾーンB1」(ZONA B1)~「ゾーンB3」(ZONA B3)までの4つのゾーンに分かれています。

大雑把に言えばゾーンAはマドリード市内、ゾーンB1~B3はマドリード市外ということになります。

特に1日券(後で詳しく紹介します)を購入する時にゾーンを選ぶ必要があるので、自分の行き先がどのゾーンなのかをあらかじめ調べておくと安心です。

ちなみに、通常の観光地のほとんどが「ゾーンA」の範囲内におさまるはずです。

マドリード地下鉄の運賃

マドリード地下鉄の運賃一覧 駅数によって区分されている

マドリード地下鉄の運賃は駅数によって決まります。

初乗りから最初の5駅までは1.5ユーロ、その後は1駅ごとに0.1ユーロ加算、10駅以上は2.0ユーロで打ち止めという料金体系です。

駅数運賃(単位はユーロ)
~5駅1.5ユーロ
6駅1.6ユーロ
7駅1.7ユーロ
8駅1.8ユーロ
9駅1.9ユーロ
10駅~2.0ユーロ
Q
マドリードの地下鉄に子供料金はある?
A

マドリード地下鉄に乗車するには3際から運賃が必要で、1回券・回数券に子供料金の設定はありません。
1日券(後で詳しく紹介します)を購入する場合は、11歳以下が半額になるこども料金の設定があります。

マドリード地下鉄の回数券

マドリード地下鉄には回数券(10回券12.2ユーロ)があります。

きっぷのICカード化に伴い、「ICカードに回数券をチャージする」形で購入します。

ちなみに1回券では駅数に応じて運賃が変わりますが、回数券では駅数にかかわらず同一料金(1駅乗っても10駅乗っても1回あたり1.22ユーロ)という面白い料金体系になっています。

Q
回数券を複数人で使いまわしてもOK?
A

マドリード地下鉄の改札口できっぷ(ICカード)をタッチするのは、入場時の1回のみで、出口にはカードをタッチする場所がありません。
それで、複数人のグループでICカード1枚と回数券を購入し、1人が改札を通ったら改札越しに次の人にICカードを手渡し、次の人が同じカードで改札を通って、という方法があるとネット上で紹介されているようです。
ただし、この方法、かなりグレーな裏技なので無用なトラブルを避けたいのであれば使わないことをおすすめします。

マドリード空港加算運賃

マドリード地下鉄 空港(アエロポルト)駅

マドリード地下鉄にマドリード空港から乗る場合、またはマドリード地下鉄で空港に向かう場合は空港付加料金として3ユーロが加算されます。

これを知らないと、空港できっぷを買う時に「マドリードの地下鉄って運賃すごく高い…」と勘違いしてしまうので覚えておきましょう(筆者の実体験です)。

マドリード地下鉄乗り放題券

マドリード地下鉄にはあらかじめ指定した日数だけ地下鉄が乗り放題になるパスが販売されています。

料金はAゾーン(マドリード市内)とTゾーン(マドリード近郊を含む)の2つの料金体系になっています。

また、この乗り放題券には、11歳以下の子供は半額になる子供料金の設定があります。

AゾーンTゾーン
1日券8.4ユーロ17.0ユーロ
2日券14.2ユーロ28.4ユーロ
3日券18.4ユーロ35.4ユーロ
4日券22.6ユーロ43ユーロ
5日券28.8ユーロ50.8ユーロ
7日券35.4ユーロ70.8ユーロ

マドリード地下鉄の運行時間

マドリード地下鉄 中にはかなり年季の入った車両も

マドリード地下鉄は早朝から深夜まで途切れることなく運行されているので、マドリード市内の移動にとても便利です。

マドリード地下鉄の始発と終電

マドリード地下鉄の始発は、駅によって多少異なりますが、おおむね早朝6時から運行されています。

また、最終電車が深夜1時半とかなり遅く、終電を乗り過ごす心配がないのもマドリード地下鉄の特長です。

地下鉄の運行間隔はおおむね5分間隔ですが、ラッシュ時は数分に1本という日本並みの頻度で電車がやってくるので、混雑していたらあせらず次の列車を待つのがオススメです。

深夜や早朝は10分以上待つこともありますが、ホームに電光掲示板があり、あと◯分で列車がやってくるかすぐ分かるようになっているので、表示を見ながら待っていれば安心です。

マドリード地下鉄の治安は安全?

マドリード地下鉄の車内 街中よりははるかに安全だがスリには用心

マドリードは比較的治安の良い都市なので、凶悪犯罪などが起こることは滅多にありませんが、ヨーロッパの他の都市に同じくスリがかなり多いです。

私がマドリード旅行中に実際にスリに遭ったり目撃したりしたことはありませんでしたが、やはりカバンから目を離さないように注意していました。

マドリードでは2004年にセルカニアス(近郊鉄道、地下鉄ではない)の駅でテロが発生したことが大きく報道されたことから、テロを心配されるかもいるかもしれません。

しかし、このテロ事件の後、マドリードでは大きなテロ事件は発生していませんし、現在は構内にセキュリティの係員が巡回しているので、安全面での心配はないと考えていいと思います。

マドリード地下鉄は夜でも安全?

マドリード地下鉄のいいところは、深夜まで運行されているので夜が遅くなっても安く移動できることですが、深夜の地下鉄の治安が心配な方もいると思います。

基本的に地下鉄の車内や地下鉄駅構内は夜間でも比較的安全ですが、問題は地下鉄の駅から地上に出た後。

深夜に外国人が外を無防備で歩くのは(女性は特に)安全面からおすすめできません。

夜遅くなってからの移動は、タクシーの利用がお勧めです。

マドリード地下鉄の切符の買い方

マドリード地下鉄の自動券売機
ガイドブックの古い情報に注意

旅行ガイドブックや一部の旅行サイトなどでは2017年のICカード切り替えより古い情報がまだ掲載されていることがあります。マドリード地下鉄の切符は2017年11月からICカード式となっていますので、情報を参照する場合は注意してください。

マドリード地下鉄のICカード

上でも紹介したように、マドリード地下鉄は2017年11月から、「タルヘタ・ムルティ:Tarjeta Multi」(マルチカード)という日本のスイカのようなICカード方式を導入しました。

マルチカードの価格と払い戻し

マドリード地下鉄のICカード「マルチカード」は券売機で2.5ユーロ
(約301円)で購入します。

マルチカードを無くしてしまうと、2.5ユーロでマルチカードを改めて購入しないといけないので、くれぐれも捨てたり無くしたりしないように注意してください。

もう一つ注意したいのは、この2.5ユーロは「預かり金(デポジット)」ではなく、カードの代金として支払うので、旅行の最後に払い戻しを受けることができません。

旅行中に地下鉄を利用する回数が少ないと、この2.5ユーロがかなりもったいないですよね。

ただ、マドリード地下鉄は現在、全面的にICカードに切り替わってしまったので、残念ながらマルチカードを買う以外に方法はありません。

例えば、グループ旅行で地下鉄を使うのが空港から市内への移動だけ、というような計画の場合は、このICカード代金(や空港加算料金)を含めて計算すると、他の交通手段の方がお得になるかもしれません。

マルチカードには「チケットをチャージ」する

日本でスイカなどのICカードを使い慣れている人は、「あらかじめ1000円分チャージしておいて、地下鉄や電車バスを利用するたびに運賃分が差し引かれていく」仕組みになじんでいると思います。

これが、マドリード地下鉄のマルチカードの場合は、金額ではなく切符をチャージするという概念になります。

具体的には、券売機でカードにチャージする時に以下のいずれかを選びます。

  • 地下鉄に乗るたびに1回券をカードにチャージ
  • 回数券(10回)をカードにチャージ
  • 1日券(最長で7日券まで)をカードにチャージ

券売機はスペイン語か英語を切り替えることができます。

ほとんどの券売機が現金もしくはクレジットカードに対応しています。

マドリード地下鉄の乗り方

マドリード地下鉄の改札口 きっぷ(カード)をタッチして通過する

マドリード地下鉄の改札は、上でも少し紹介したように、入場時(入り口)のみカードをタッチする方式です。

改札機に緑色のパネルがあり、入場時に緑色のパネルにICカードをタッチします。

車内にスーツケースを置く場所はないため、自分の足下に置くなどする必要がありますが、泥棒も多いので手回り品には十分気をつけましょう。

電車から降りる時には、この写真のようなレバーやボタンを操作してドアを開ける場合がほとんどです。

マドリード地下鉄 降車用 扉操作レバー
マドリード地下鉄 降車用 扉操作ボタン

私は、電車が駅についてもぼーっとドアが開くのを待っていて、見かねた近くの人が助けてくれたことが何度かあります^^

英語の案内は、主要駅には一部あるものの、全体的にはそれほど多くないと感じました。

それで、基本的なスペイン語の単語を覚えておくと、迷わずに地下鉄を利用できると思います。

スペイン語読み方日本語
metroメトロ地下鉄
estaciónエスタシオン駅、バス停
billeteビジェッテきっぷ、チケット
salidaサリーダ出口
aquíアキここ
estoエストこの
bañoバーニョトイレ
Q
マドリードの地下鉄駅にトイレはある?
A

スペインの主な地下鉄の駅にはトイレはありません。
スペインでは公衆トイレがほとんど設置されておらず、バルやレストラン、ホテルでトイレを借りるのが一般的です。
アトーチャ駅には有料トイレがありますが、他の地下鉄駅にはトイレがないので、トイレは計画的に。

マドリード地下鉄の乗り換え方法

地下鉄とスペイン国鉄・近郊線の乗り換え

まるで植物園のようなスペイン国鉄(Renfe) アトーチャ駅

マドリード地下鉄とスペイン国鉄・近郊線の乗り換えには、国鉄アトーチャ駅(Atocha Renfe)を利用します。

マドリードからトレドなどへ向かう、高速列車のAVANTもアトーチャ駅で乗り換えればOKです。

AVEの駅はマドリード・プエルタ・デ・アトーチャ駅(Madrid-Puerta de Atocha)、在来線の駅はマドリード・アトーチャ・セルカニアス駅(Madrid-Atocha Cercanías)というように分かれていますが、同じ場所にあるので迷うことはないでしょう。

乗り換えは必ず「Atocha Renfe」駅で

地下鉄で国鉄アトーチャ駅に向かう時には「アトーチャ・レンフェ駅(Atocha Renfe)」で降りるようにしましょう。
間違って「アトーチャ駅(Atocha)」で降りてしまうと、乗り換えまでかなりの距離を歩くことになってしまいます。

地下鉄から地下鉄への乗り換え

マドリード地下鉄の乗り換え看板 スペイン語表記のみの場合が多い

一方、マドリード地下鉄内での乗り換えはそれほど面倒ではありません。

駅構内の各所に号線の案内看板があるので、それに沿って進んでいけば大丈夫です。

ただ、上でも少し触れましたが、スペイン中心部から空港までの間には必ず乗り換えがあるので、時間には余裕を持って行動するようにしましょう。

私は時間を読み間違えてあやうく飛行機に遅れるところでした(^_^;

マドリードは地下鉄先進都市、上手に乗りこなせばお得に楽しく観光できます

マドリードは、人口当たりの地下鉄整備の割合が世界でもトップクラスと言われるほど、地下鉄が縦横に整備されていて市内の移動がとても便利です。

ICカード化されて、きっぷの初回購入の(金銭面の)ハードルが少し高くなってしまいましたが、1日券などを使って乗りこなせば、十分に元は取れますよ。

マドリード地下鉄を賢く使いこなして、マドリード観光をお得に楽しんでくださいね

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