マレーシアリンギットの両替はどこがお得?手数料・レートを比較してみた

海外旅行で心配なことの一つと言えば、現地のお金に両替する方法ですよね。

この記事では、マレーシア・リンギットへお得に両替する両替方法について、マレーシア在住の筆者が詳しく紹介していきたいと思います。

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東南アジア、アフリカ、オセアニア、南アメリカなど世界各国に散らばるわーとら!編集部が現地の生の情報をお届けしています。

マレーシアリンギットへ両替する方法あれこれ

両替というと空港で、というイメージがありますが、他にもいろんな方法があります。

まず日本国内で両替する場合、

  • 日本の空港
  • 銀行や郵便局での両替
  • 宅配両替
  • 旅行代理店
  • 金券ショップ

などで両替できますね。

トラベラーズチェックは使える?

以前は盗難にあっても再発行可能な「トラベラーズチェック(T/C)」という旅行者用の小切手があったのですが、今は国内では発行されていません。

既に発行済みのトラベラーズチェックが自宅にある場合、基本的には旅行先では使えず、発行元の銀行(トラベラーズチェックに記載があります)で日本円に換金することしかできないことに注意してください。

マレーシア現地では、

  • 到着時空港での両替
  • ATMを利用
  • 現地の銀行での両替
  • 現地の街中の両替商
  • ホテルでの両替

などの方法があります。

この内、レートが悪すぎることが明らかな旅行代理店やホテルでの両替と、は初心者向ではないチケットショップや街中の両替商を除外して、それ以外の両替方法について比較してみたいと思います。

マレーシア・リンギットの表記方法

マレーシア・リンギットは通貨コードとしては「MYR」が定められていますが、通常は「RM」という表記が用いられます。

この記事でも「RM1」=「1リンギット」という意味で「RM」表記を使用しています。

また、リンギットは実際の現地の発音では「リンギッ」と最後の「ト」が発音されないので、現地在住の日本人を中心に「リンギ」と表記する人も少なくありません。

日本で事前に両替する

日本で事前に両替しておくと安心という場合、まず思いつくのが銀行での両替ですね。

ただ、マレーシア・リンギットはドルやユーロとは違って、取り扱いのある銀行・支店が限られているため、最寄りの銀行に事前に在庫の有無を問合わせることをお勧めします。

日本の銀行で両替する

銀行の市内店舗ではマレーシア・リンギットへの両替は不可

2023年8月現在、各銀行でマレーシア・リンギットへの両替を扱っている市内店舗は存在しないようです。以下の情報はみずほ銀行の羽田空港・成田空港内両替ショップのレートを掲載しています。

銀行でのマレーシア・リンギットへの両替レートについて、2023年8月下旬の調査では1リンギット=35.93円となっていました。

この銀行レートを基準として各両替所のレートを比較していきたいと思います。

 1万円5万円10万円50万円
みずほRM278RM1,392RM2,783RM13,916
みずほ銀行(空港内店舗)でのマレーシア・リンギット両替レート(2023年8月 わーとら!調べ)

宅配で両替する

銀行や郵便局には宅配両替サービスを提供してるところも多くあります。

その他にも、ネットの「宅配両替専門店」で両替をするという方法もあります。

前もって両替しておいた方が安心、ビジネスやロングステイなどである程度のまとまったリンギットの現金が必要という場合に利用できますね。

ここでは、レートが有利と評判の「ドルユーロ」という宅配両替専門店のレートを見てみました。

宅配両替ショップ「ドルユーロ」のマレーシア・リンギット両替レート

宅配両替には送料が700円(代引の場合)かかりますので、送料を加味した実質レートを計算してみるとこうなります。

 1万円5万円10万円50万円
みずほRM278RM1,392RM2,783RM13,916
ドルユーロRM278RM1,473RM2,969RM14,954
宅配両替でのマレーシア・リンギット両替レート(2023年8月 わーとら!調べ)

出発までに時間がある人は、宅配両替を検討するのもよさそうですよ。

日本での事前両替まとめ

  • 出発前に余裕があったり、多額の現金を用意する必要がある時は事前に両替しておくと安心。
  • 宅配両替はちょっと手間はかかるけど、ネットで注文すれば便利でレートもおトク。

日本の両替ショップで両替する

次に、日本にある両替ショップで両替する場合のレートを見ていきましょう。

日本での両替のメリットは、

  • 出発前に外貨が両替できる
  • チェックイン後の待ち時間などに両替できる
  • 日本語が通じる
  • スタッフが親切に教えてくれる

などがありますね。

羽田・成田空港を始めとする日本の主要な空港には出発階や出国手続き後の制限エリアにも両替所がいくつもあります。

ここではどの空港にもある「トラベレックス」両替ショップを例にレートを確認してみました。

トラベレックスでのマレーシア・リンギットの店頭両替レートはRM1=37.12円とちょっと割高なようです。

でもトラベレックスはほとんどどこの空港にも(市内各所にも)両替ショップがあって、日本語で親切に応対してもらえること、クレジットカードが使えることなど利便性が高いショップなので、利便性に対する手数料だと思って割り切るのもありだと思います。

 1万円5万円10万円50万円
トラベレックスRM269RM1,346RM2,694RM13,470
みずほRM278RM1,392RM2,783RM13,916
ドルユーロRM278RM1,473RM2,969RM14,954
空港両替ショップ(トラベレックス)でのマレーシア・リンギット両替レート(2023年8月 わーとら!調べ)

レートが悪いと言っても5万円両替時で50リンギットぐらいの差ですから、そんなに気にするほどではないですね。

ちなみに、成田空港・中部国際空港(セントレア)・関西国際空港(関空)の3空港には、各空港直営の両替ショップがあります。

中部国際空港(セントレア)直営の外貨両替ショップ レートが良いのでいつも混雑している

空港直営両替所はトラベレックスより若干レートが良いことが多いのですが、個人的にはいつ行ってもかなり混雑している印象です。

時間にかなり余裕があれば空港直営の両替所ものぞいてみるといいかもしれませんね。

各空港の直営両替ショップは以下の場所にあります。

  • 成田空港(GPA両替専門店)
    • 出国審査前・非制限エリア
      • 成田空港 第1ターミナル 4F出発ロビー
      • 成田空港 第2ターミナル 3F出発ロビー
      • 成田空港 第3ターミナル 2F出発ロビー
  • 関西国際空港(関西国際空港直営外貨両替)
    • 出国審査前・非制限エリア
      • 関西国際空港 第1ターミナルビル 4階出発フロア 北
    • 出国審査後・制限エリア
      • 関西国際空港 第1ターミナルビル 国際線出国エリア 北
      • 【休業中】関西国際空港 第1ターミナルビル 国際線出国エリア 南
  • 中部国際空港セントレア(セントレア直営外貨両替)
    • 出国審査前・非制限エリア
      • 中部国際空港セントレア 第1ターミナル3階 出発ロビー
    • 出国審査後・制限エリア
      • 【休業中】中部国際空港セントレア 第1ターミナル3階 国際線制限エリア(出国審査後・制限エリア)

8月下旬の各空港直営両替所の両替レートは以下の通りでした。

 1万円5万円10万円50万円
トラベレックスRM269RM1,346RM2,694RM13,470
セントレア直営RM275RM1,376RM2,753RM13,763
関空直営RM276RM1,380RM2,761RM13,804
みずほRM278RM1,392RM2,783RM13,916
成田空港直営GPARM282RM1,411RM2,823RM14,116
ドルユーロRM278RM1,473RM2,969RM14,954
成田・関空・セントレア各空港直営両替ショップでのマレーシア・リンギット両替レート(2023年8月 わーとら!調べ)
日本の空港での両替まとめ
  • 日本語が通じるので、安心して両替ができる。
  • 出発前に外貨が手に入るので、現地についてからお金の心配をしなくていい。
  • 両替所によってレートが違うので、安い両替所を探すのに時間がかかる。
  • 空港が混んでいると、時間がたりなくて両替できないことも。

マレーシアの空港で両替する

KLIA2(クアラルンプール空港LCC専用ターミナル)

マレーシア・リンギットのようなマイナー通貨(米ドルやユーロ以外の通貨)は、日本よりも現地のがよりおトクに両替できる、というのはよく言われます。

私も体感的にそう感じていたのですが、今回は実際にレートを調査してみることにしました。

マレーシア・クアラルンプール国際空港(KLIA)の両替ショップは統一レートを採用

これまで何度かKLIA/KLIA2を利用した範囲では、少なくともKLIA(クアラルンプール国際空港)内の両替ショップはどうやら空港内の統一レートを採用しているようです。

ですから、諸外国の空港のように、レートの良い両替ショップを探して空港内を右往左往しなくていいというのはマレーシア・リンギット両替のメリットかもしれません。(でも、私のようなレートの良いショップを探すのが趣味の人間にはちょっとつまらなかったりもしますが笑)

KLIA, KLIA2ともに、預け荷物を受け取る前や、制限エリアを抜けた後の到着フロアにもいくつも両替ショップがありますので、両替所が見つからない、という心配はしなくても大丈夫です。

ただし、現地到着直後は色々と忙しかったり、疲れていたりしてうっかり両替を忘れるなんて可能性もありますので、そこは現地クアラルンプール国際空港での両替の一つのリスクとも言えそうです。(お迎えが来ていて、何も考えず送迎車に乗ってしまい、気がついたらリンギットの現金がなかった、なんてことも汗)

KLIA(KLIA2)内の両替ショップは以下のようにたくさんあります。上でも触れたようにどこで両替してもレートは同じはずなので、最寄りの両替ショップで両替してしまうのがいいですね。

KLIA第1ターミナル(クアラルンプール国際空港:JAL, マレーシア航空, バティック・エアなど)

  • 手荷物検査前(制限エリア)
    • メインターミナル(コンタクトピア)
      • BANK ISLAM
    • サテライトターミナル
      • Travelex
  • 手荷物検査後(非制限エリア)
    • 到着ロビー
      • Travelex
    • メインホール到着階(Level 3)
      • CIMB BANK
      • Maybank
  • 出発ロビー
    • メインホール出発階(Level 5)
      • Travelex

KLIA2(クアラルンプール国際空港第2ターミナル:エア・アジアなど)

  • メインターミナル
    • Travelex
  • サテライトターミナル
    • Travelex

実際にレートを確認してみました。(写真は2018年取材時のもので少し古いです)

日本円をリンギットに両替したい場合は、「WE BUY」の部分をみます。

マレーシアでは「100円をマレーシア・リンギットに両替するといくらになるか」という表記方法になり、日本と逆なので一瞬戸惑いますが、慣れてしまえば大丈夫です。

2023年8月下旬に調査したKLIAでの日本円両替レートは100円あたりRM3.1043となっていました。

 1万円5万円10万円50万円
トラベレックスRM269RM1,346RM2,694RM13,470
セントレア直営RM275RM1,376RM2,753RM13,763
関空直営RM276RM1,380RM2,761RM13,804
みずほRM278RM1,392RM2,783RM13,916
成田空港直営GPARM282RM1,411RM2,823RM14,116
ドルユーロRM282RM1,473RM2,969RM14,954
KLIA空港内RM310RM1,552RM3,104RM15,522
マレーシア・クアラルンプール国際空港(KLIA, KLIA2)内両替ショップでのマレーシア・リンギット両替レート(2023年8月 わーとら!調べ)

やはり本当に、リンギットの両替は現地でしたほうがおトクのようです。

宅配両替よりも有利なレートで両替できますね。

試しに両替してみました

私は最近では空港の両替所はあまり使わなくなったのですが(理由は後述)、今回は久しぶりに両替所で両替してみることに。

1000円札でも両替できるのか、試しに日本の1000円札を出してみると、特に何も言われず、両替される金額を電卓で見せてくれました。

そしてレシートのような紙とペンが手渡され、レシートの下の方を指さされました。

「サインかな?」と思ってサインをすると、RM33とレシートが手渡されました。

マレーシア・クアラルンプール国際空港(KLIA)内Am Bank両替所で日本円からマレーシア・リンギットに両替

マレー語や英語を話すことなく、あっけなく両替ができました。

現地で両替しても、言葉の心配は必要なさそうですが、両替後の金額を必ず確認すること、荷物を置き引きされないように、など防犯には十分注意してくださいね。

現地の空港(マレーシア・クアラルンプール国際空港KLIA)での両替まとめ
  • 日本円を渡せば両替できるので、言葉の心配はいらない。
  • 空港内どの両替ショップでもレートは同じ。
  • マレーシアはかなり治安は良いが、念のため防犯の用心は忘れずに。
  • マレーシア到着時は意外と慌ただしいのでうっかり両替忘れに注意。

マレーシアのATMで両替する

マレーシア・クアラルンプール国際空港(KLIA)内の各銀行ATM

マレーシアには空港や街中のあちこちにATMが設置されています。

マレーシアのATMでは、国際キャッシュカードの他、海外キャッシング対応クレジットカードなどが使えます。

現地のATMを使った両替は、いつでも手軽にできる上にレートもかなりいいので、最近はすっかり他の両替方法は使わなくなってしまいました。

今回、私は楽天銀行のVisaデビットカードを利用してリンギットを引き出してみました。

基本的には英語での操作になりますが、そんなに難しくないので、キャッシング対応のクレジットカードを持っている場合は挑戦して見る価値はありますよ。

ATMで使う英単語
  • BALANCE:残高照会
  • SAVINGS:預金
  • CHECKING:当座預金
  • CREDIT:クレジットカード
  • SELECT SOURCE ACCOUNT:口座選択
  • ENTER:入力
  • TRANSACTION:取引
  • OTHER:その他
  • TRANSFER:振り込み
  • PIN:暗証番号
  • SELECT DISPENSE AMOUNT:引き出し金額を選択
  • WITHDRAWAL:引き出す

マレーシアのATMでリンギットを引き出す方法

  1. カードを入れると英語、中国語、マレー語を選択する画面が出てきますので英語を選択。
  2. 「ENTER PIN(暗証番号を入力)」と表示されたら、クレジットカードの暗証番号を入力。
  3. 4桁の暗証番号を入力し、最後に「ENTER(入力)」を押す。
  4. 「SELECT TRANSACTION(取引内容を選択)」と表示されたら、取引内容を選択。
  5. デビットカード利用時は「WITHDRAWL(引き出し)」を選択。
  6. SELECT SOURCE ACCOUNT」の画面で、取引口座を選択。
  7. デビットカード利用時は「SAVINGS(預金)」を選択。
  8. SELECT DISPENSE AMOUNT(引き出し金額を選択)」と表示されたら、引き出したい金額を入力しますが、決められた金額から選択することがあります。(機種による)
    もし自分で金額を入力したいなら「OTHER(その他)」をお選び、引き出したい金額を入力し「選択○」を押す。
  9. カードと現金を受け取ったあと、レシートの発行を聞かれるので「YES」を押してレシートをもらい終了。
    ※機種によっては取引を続けるか聞かれます。その場合「NO」を押して終了します。

試しに200リンギットを下ろしてみて、楽天銀行の明細でチェックしてみると。

5,597円引き落とされ、その後に7円の返金がありましたので、実際に引き落とされたのは5,590円ということになります。(2018年取材時のレートです)

2023年8月下旬のレートでVisaデビットカードを使用した場合と、クレジットカードの海外キャッシングを使用した場合の両替レートを計算し直してみると、以下のようになります。

 1万円5万円10万円50万円
トラベレックスRM269RM1,346RM2,694RM13,470
セントレア直営RM275RM1,376RM2,753RM13,763
関空直営RM276RM1,380RM2,761RM13,804
みずほRM278RM1,392RM2,783RM13,916
成田空港直営GPARM282RM1,411RM2,823RM14,116
ドルユーロRM282RM1,473RM2,969RM14,954
現地ATM(Visaクレジット)RM306RM1,544利用不可利用不可
現地ATM(Visaデビット)RM308RM1,540利用不可利用不可
KLIA空港内RM310RM1,553RM3,104RM15,522
マレーシア現地ATMでのマレーシア・リンギット両替レート(2023年8月 わーとら!調べ)

厳密に比較するとKLIA内での両替の方が僅差で有利にはなりましたが、ほとんど誤差の範囲ですし、何よりもいつでもどこでも両替できるというのが現地ATMのメリットです。

現地ATMでの両替は、操作画面が基本的に英語か中国語なこと、多額の両替ができないのがデメリットですが、そこさえ気にならなければ現地のATM利用が一番便利でお得ですね。

あと、カードの磁気不良なのかカードとATMとの相性なのか、カードをATMに入れても反応しないことが(ごくまれに)あります。そのためにも複数の海外ATMで使えるカードを持って行くと安心ですよ。

海外旅行保険が無料でついてくるエポスカードを作って、現地のATMでの両替に使うのも便利でおすすめです。

👉おすすめ記事:【年会費無料】エポスカードの海外旅行保険7つのメリットを徹底解説!

ATMで両替できるのは日本円5万円までが目安

マレーシアのATMは一般的に1回あたりRM1,500~RM2,000程度の限度額が設定されています。また各カードでも1回あたり/1日あたりの限度額が設定されているのでご注意ください。

現地ATMでの両替まとめ
  • レートがどの両替方法よりも有利なことが多い。
  • ATMは空港・市内問わずどこにでもあるので両替しやすい。
  • 日本語での操作はできない。
  • 多額の両替(5万円が上限の目安)には向いていない。

マレーシアのATMの使い方を詳しく

【写真あり】マレーシアのATMを使って現地通貨リンギットに両替(現金引き出し)する方法を詳しく紹介します
海外旅行中、現金が手元になくなってしまって困ってしまった… だれでもそんな経験はあるものですね。 でも大丈夫。旅行後半になって現金が足りなくなってきたら、クアラルンプール国際空港(KLIA)などにあるATMで日本発行のカードを使って両替がで...

究極にお得なレートを目指す人に

マレーシアに頻繁に通っている、とか日本円で収入を得てマレーシアで生活しているという人の中には、多少の手間がかかってでも、できるだけお得なレートでマレーシア・リンギットに両替したいという方もいると思います。

かく言う私もマレーシアで、リモートで日本の会社の仕事をしているのでレートには敏感だったりします。

レート変動そのものは個人レベルでどうにかできるものではありませんし、また時折見聞きする闇両替は確かにレートは有利ですがリスクが高すぎるのでちょっと手を出そうとは思いません。

そうなると、結局のところ両替手数料や上乗せレートといった部分をどれだけ節約できるか、が究極のお得レート実現には大事なポイントなんです。

この記事では、私のような「海外両替マニア」の中でも比較的よく知られている、2つの方法をご紹介します。

ここからはかなりマニアックな内容なので、飛ばして読んでも全然大丈夫です。

宅配両替の手数料節約術

この方法は日本ベースで時折マレーシアに行く、という方におすすめの方法です。(マレーシア在住だと宅配を受け取れるタイミングが一時帰国中のみになるので難易度がぐんと上がります)

例えば上でも紹介した宅配両替の「ドルユーロ」では、普通に両替すると代金引換手数料700円がかかりますが、銀行振込にすると送料400円の負担で済みます。

つまり、振込手数料が300円(代金引換手数料700円-送料400円)未満の銀行に口座を持っていれば、銀行振込にした方がお得になるという訳なんです。さらに「ドルユーロ」では両替額が10万円以上になると送料が無料になります。

つまり、振込手数料が無料になる銀行口座を持っていれば、振込の手間がかかる分、究極的に手数料を節約することができます。

この手数料節約法を使った両替シミュレーションをしてみましょう。

 1万円5万円10万円50万円
トラベレックスRM269RM1,346RM2,694RM13,470
セントレア直営RM275RM1,376RM2,753RM13,763
関空直営RM276RM1,380RM2,761RM13,804
みずほRM278RM1,392RM2,783RM14,954
成田空港直営GPARM282RM1,411RM2,823RM14,116
ドルユーロRM282RM1,473RM2,969RM14,954
ドルユーロ(銀行振込)RM287RM1,484RM2,992RM14,992
現地ATM(Visaクレジット)RM306RM1,544利用不可利用不可
現地ATM(Visaデビット)RM308RM1,540利用不可利用不可
KLIA空港内RM310RM1,553RM3,104RM15,522
マレーシア現地ATMでのマレーシア・リンギット両替レート(2023年8月 わーとら!調べ)

特に10万円以上の両替をする場合には、KLIAで両替するレートにかなり近くなりますね。

ある程度のまとまった額を日本で事前にマレーシア・リンギットに両替しておきたい、という場合には結構使える技かな、と思いますよ。

マレーシア・リンギットの持ち込み規制に注意!

在マレーシア日本国大使館によると、マレーシア入国時にRM1,000以上のマレーシア・リンギットを持ち込む場合には、税関への申告が必要です。(外貨の場合はUS$10,000までは申告不要です)

ちなみに、マレーシア税関ではUS$10,000を超える場合のみが規定されており、「RM1,000以上のマレーシア・リンギット」という規定がないのですが、安全のためRM1,000以上を持ち込む場合は税関申告するのが確実でしょう。

クレジットカードを現地ATMで使用する場合の手数料節約術

記事内でも、デビットカードやクレジットカードを使ってマレーシアの現地ATMで両替するとかなりレートが有利なことを紹介しました。

実はこの方法、一工夫することでさらに手数料を節約することができます。

まずは、計算が比較的やさしいデビットカードから紹介していきますね。

デビットカードやクレジットカードを海外ATMで使用する際、「海外ATM利用手数料」と「海外両替事務手数料」の2種類の手数料がかかることを理解しましょう。

このうち、「海外ATM利用手数料」は「1回あたり◯◯円」と定額の手数料、「海外両替事務手数料」は「当日のVisaレートに+◯.◯%」と定率の手数料です。

そうすると、マレーシアの現地ATMで1回あたり引き出す額が少ない方は「海外ATM利用手数料」が低いデビットカード、1回あたり引き出す額が多めの方は「海外事務手数料」の率が低いデビットカードを使うのが節約のコツ、ということになります。

例として、上でもレートを計算した私の普段遣いの「楽天Visa」デビットに加えて、少額の引き出しに有利な(=海外ATM手数料の安い)住信SBIネット銀行の「ミライノデビット」、少し多めの額を引き出す時に有利な(=海外両替事務手数料の安い)イオン銀行の「イオン銀行キャッシュ+デビット」を比較してみましょう。

 1万円5万円10万円50万円
トラベレックスRM269RM1,346RM2,694RM13,470
セントレア直営RM275RM1,376RM2,753RM13,763
関空直営RM276RM1,380RM2,761RM13,804
みずほRM278RM1,392RM2,783RM13,916
成田空港直営GPARM282RM1,411RM2,823RM14,116
ドルユーロRM282RM1,473RM2,969RM14,954
ドルユーロ(銀行振込)RM287RM1,484RM2,992RM14,992
現地ATM(Visaクレジット)RM306RM1,544利用不可利用不可
現地ATM(イオンデビット)RM306RM1,556利用不可利用不可
現地ATM(楽天Visaデビット)RM308RM1,540利用不可利用不可
現地ATM(ミライノデビット)RM310RM1,549利用不可利用不可
KLIA空港内RM310RM1,553RM3,104RM15,522
マレーシア現地ATMでのマレーシア・リンギット両替レート(2023年8月 わーとら!調べ)

まあ、ほとんど誤差の範囲内といえばそうですが、少額の引き出しに強い「ミライノデビット」では1万円相当を引き出した時のレートがKLIA空港内のレートと同額になりました。また、5万円相当を引き出した際のレートは僅かですが「イオンキャッシュ+デビット」がKLIA空港内レートよりも有利になっています。

少しでもマレーシア・リンギットへの両替手数料を節約したいという場合は、自分の使い方に合わせたVisaデビットカードを作るのもいいですね。

さらなる手数料節約術として、クレジットカードを現地ATMで使用し、さらに「繰り上げ返済」を使うという究極の裏ワザもあります。

クレジットカードを現地ATMで使用してマレーシア・リンギットに両替する行為は「海外キャッシング」と呼ばれ、実際のところは借金をしています。

デビットカードなら「預金残高をマレーシア・リンギットで引き出す」ことができるのですが、クレジットカードは「いったんマレーシア・リンギットで借金して、次の引き落とし日に口座から利息と合わせて引き落とされる」という仕組みになります。

ですので、クレジットカードを持っていても「キャッシング枠」が付いていないとこの海外ATMでの両替技を使うことができません。(お手持ちのクレジットカードのキャッシング枠がわからない場合は、カード裏面の電話番号に電話すると教えてくれます)

上のデビットカードの項目で、カードを現地ATMで使うと「海外ATM手数料」と「海外事務手数料」がかかるということを紹介しました。クレジットカードでは、ここに加えて「利息」がかかるということなんです。

それならクレジットカードは絶対不利かというと実はそうではなく、「海外ATM手数料」と「海外事務手数料」がどちらも0円、という神クレカだったりすると、実質かかる手数料が「利息」だけになります。しかも、どのクレジットカードにも「繰り上げ返済」という仕組みがあるので、けっこう面倒ですがその仕組みを使えば利息すら「ほぼ0円」にすることもできます。

例えば消費者金融系の「アコムACマスターカード」は「海外ATM手数料」「海外事務手数料」ともにゼロ円という神カードの一つです。現地ATMでマレーシア・リンギットを引き出したその日に銀行振り込みやペイジー払いで返済をすれば、なんと「利息」もゼロ円に。

この方法で手数料を極限まで節約した場合のレートを比較してみると、なんとKLIA空港内の両替ショップよりもかなり有利なレートで両替できることが分かりました。

 1万円5万円10万円50万円
トラベレックスRM269RM1,346RM2,694RM13,470
セントレア直営RM275RM1,376RM2,753RM13,763
関空直営RM276RM1,380RM2,761RM13,804
みずほRM278RM1,392RM2,783RM13,916
成田空港直営GPARM282RM1,411RM2,823RM14,116
ドルユーロRM282RM1,473RM2,969RM14,954
ドルユーロ(銀行振込)RM287RM1,484RM2,992RM14,992
現地ATM(Visaクレジット)RM306RM1,544利用不可利用不可
現地ATM(イオンデビット)RM306RM1,556利用不可利用不可
現地ATM(楽天Visaデビット)RM308RM1,540利用不可利用不可
現地ATM(ミライノデビット)RM310RM1,549利用不可利用不可
KLIA空港内RM310RM1,553RM3,104RM15,522
現地ATM(アコムAC繰り上げ)RM318RM1,588利用不可利用不可
マレーシア現地ATMでのマレーシア・リンギット両替レート(2023年8月 わーとら!調べ)

実際のところ、このために新しくクレジットカードを作る(消費者金融系ということで抵抗のある方もいるかもしれません)必要があったり、慣れればそう難しくないとは言え、わざわざ繰り上げ返済をする必要があったりとハードルはかなり高いのですが、手間を惜しまず少しでも節約したいという方は試してみる価値あると思いますよ。

まとめ

ここまで調査してきた結果から、レートのお得度で比べてみると、以下のような順になります。

  1. 現地ATM(クレジットカード・デビットカード)
  2. 現地の両替所
  3. 宅配両替
  4. 日本の空港両替所
  5. 日本のTravelex

ただ、どの両替方法もレートの良し悪しの他に、メリット・デメリットがあります。

そこで、どの方法がどんな人にオススメか、私なりにまとめてみました。

日本での両替

海外にいくのは楽しみだけどすこし不安もあるという方は、日本で事前に両替しておくと安心ですね。

現地の空港での両替

現金派の人がおトクに両替するなら、KLIA(クアラルンプール空港)など現地の空港での両替がオススメです。

現地ATMを利用した両替

海外に慣れている人、とにかく安く両替したい人、あまり多額の現金を必要としていない人にオススメです。

それでは、おトクにマレーシアリンギットを両替して、マレーシア旅行を楽しんでくださいね!

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