日本のATMには銀聯カードが使えるものもあり、中国人観光客だけでなく、中国で働いている(中国で給料を受け取っている)日本人にとっても非常に便利で助かります。そんな銀聯カードの海外引き出しに、しばらく前から新たに年間の引き出し制限がかかるようになっています。
銀聯カードが使える日本のATM
中国で(駐在、出向、現地採用等の形で)仕事をしておられて中国の銀行口座に残高があって、日本のATMを使って日本円に両替したい、というニーズが意外と多いようで、C-STUDYの銀聯カード記事に多くのアクセスをいただいています。
最近では中国の銀聯カードが使えるATMがかなり増えてきて、この方法が周知されてきた感があります。
現在のところ銀聯カードを使うことができるATMと手数料については、以下の記事をご覧ください。
関連記事:銀聯カードを日本のATMで使う時の手数料レートまとめ
銀聯カードが日本のATMで使えない?
ただ、最近は「銀聯カード 日本 使えない」などのキーワードでの訪問がコンスタントにあり、みなさん困っておられる様子が伺えます。
原因1:磁気ストライプのない銀聯カード
銀聯カードが日本で使えない一番の理由には、最近の銀聯デビット(キャッシュ)カードには磁気ストライプ(カード裏面の黒い帯)がついていないため、日本のATMで認識できないことがあります。
関連記事:注意!2015年以降に発行された新しい銀聯ICカードは日本のATMで使えません
対策としては、上の記事にもコメントでいただいているように、中国にいる間に銀行窓口に行って、「海外でも使いたいから磁気ストライプのあるカードに交換してほしい」と言うと、カードを交換してもらえることがあるようです。
原因2:1回あたりの引き出し制限
また、日本側ATMや中国側銀行によって、1回あたりの引き出し制限がかけられていることがあります。
日本側ではゆうちょ銀行など一部のATMで1回あたりの取引額が10万円に制限されていることがあります。
他にも中国側(銀聯カード側)で1回あたりの取引額が制限されていることがありますので、引き出しがうまくいかない場合は、中国側の銀行に問い合わせてみるか、5000元や3000元などの少なめの額で引き出しを試してみると良いと思います。
原因3:1日あたりの引き出し制限
銀聯カードの1日あたりの引き出し額は中国の法律によって1万元(18万円~19万円)までに制限されています。
10万円×2回というような引き出しを1日のうちにしようとすると、この制限に引っかかる可能性があります。
原因4:年間引き出し制限
こちらは2015年の秋から始まった規制ですが、これまで1日あたりの引き出し額にしか制限がなかった銀聯カードに、年間10万元(180万円~190万円)の引き出し額上限が設けられました。
これまでは最高で年間365万元(約6800万円)もの大金を引き出すことができ、不正な方法で蓄財した人たちのマネーロンダリングに使われていたため、それを防止するためにこの制限が始まったそうです。
10万元は意外と少ない
10万元は一見多いようですが、中国の収入を日本に仕送りしないといけないとか、海外赴任から帰任するような場合にはこれでは十分ではありません。
銀聯カード 年間10万元制限の対策は?
ではどうしようもないのか、というと、対策はあるようです。
その1:銀聯カードを複数持つ
対策、というのは「複数の銀行に口座を開き、資金を分散させること」なんだとか。
この年間制限は銀聯カード(中国の口座)ごとにかかっているものなので、口座を分ければ大丈夫なんです。
その2:高額の買い物は銀聯カードで決済する
最近は日本でも銀聯カードを使えるお店が増えてきました。
高額な家電製品やパソコンなどを、できるだけこうした銀聯カードのお店で購入するようにすれば、引き出し制限の枠を大切に使うことができそうです。
また、貴金属店で換金性の高い純金ネックレスなど(※金地金はどこのお店でもカード購入不可です)を購入して、買い取り店に…ってこれは立派なマネーロンダリングです(><
まあこんな感じで、中国の法律や規制はだいたい抜け道だらけなので、あまり深く考えないのがいいと思います(^^;
まさに「上に政策あれば下に対策あり(上有政策,下有对策)」の国、政府と市民のイタチごっこは続きそうです。