前回の北京旅行の際に、中国の銀行に口座を作ってきました。
これまでも細々ながら中国の会社と取引がある関係で、銀行口座は幾つか持っているのですが、いずれも随分前に上海に滞在していたころに開設していた口座でした。
今回は、中国で作った口座を微信钱包に紐付けて、中国でもケータイ決済という目論見があったのですが、恐らく新しく口座を作った方が早いだろう、と考えて、短期旅行者が中国で銀行口座を開くことができるかの実験も兼ねて、トライしてみることにしました。
中国で銀行口座を開設するには
まず結論から言えば、中国で銀行口座を開くのはとても簡単です。
口座開設に必要なもの
銀行によって多少異なる場合がありますが、口座開設に必要なものは、基本的には以下の3点です。
- パスポート
- 滞在先の住所
- SMSの受信できる中国の携帯番号
滞在先の住所は、ホテルの住所でも特に何も言われませんでした。
ここで1つ問題になるのが、「SMSの受信できる中国の携帯番号」で、これを解決するには、「SIMフリースマートフォン+中国SIM」が必要となります。
でも、中国で銀行口座を開設しようと思うほどの方なら、いずれにしても中国で自由に使えるスマホは持っていた方がいいですね。
短期旅行者でも口座開設は可能
今回実際に試してきましたが、短期旅行者でもまったく問題なく口座を開設することはできます。
ただ、銀行や窓口担当者によっては、短期旅行者の口座開設を拒否することもあるようです。
私の場合も、口座開設の目的を確認された上に、合法的な滞在であることの説明が必要でした。
口座開設の目的は、「中国で働くことを考えている(打算在中国找工作)」とか適当に答えればOKでした。
もう1点、合法的な滞在であることの説明ですが、日本人が中国を15日以内の短期で訪問する場合はビザが免除されているため、パスポートには入国スタンプのみでビザの貼付がありません。
これを「ビザが無い」と判断されたため、15日以内であればビザが不要であることの説明(15天内的短期旅行是免签证的、などと)が必要でした。
ある程度の中国語が必要かも
そんな訳で、スムーズに行かなかった場合も考えると、ある程度の中国語は必要かと感じました。
中国光大銀行に口座を作ってきた
さて今回口座を開設したのは、中国光大銀行(中国光大银行)の北京支店(北京支行)です。
中国光大銀行は日本での引き出し手数料が無料
なぜ中国銀行や工商銀行と言ったメガバンクではなく、若干マイナーな光大銀行に口座を開設したかと言うと、光大銀行は日本のATMでの引き出し手数料が月2回まで無料というサービスがあるからです。
関連記事:銀聯カードを日本のATMで使う時の手数料レートまとめ
日本のATMでお金を下ろす場合、どこの銀行のカードかによって、手数料が1回あたり最大で2000円近くも変わってきます。
ということで、手数料が無料の光大銀行はかなりオトクな銀行カードと言うことができます。
光大銀行北京支店は土日も営業
ちょうど、私たちが宿泊したホテルのほぼ目の前に光大銀行の支店があったので、こちらで口座を開設することにしました。 https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m18!1m12!1m3!1d6121.067813660257!2d116.37042111726986!3d39.90706657666786!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x0000000000000000%3A0x0676171df996fc83!2z5Lit5Zu95YWJ5aSn6YqA6KGM!5e0!3m2!1sja!2sjp!4v1463357594787
営業時間は、月曜から日曜までの9時から17時までとなっていました。土日も営業しているのは助かりますね。
番号札を取って待つ
入り口を入ってすぐのところにある受け付け機で、番号札を取って待ちます。
自分の番が来ると、アナウンスと窓口上の表示で呼び出しされます。
私は平日の午前中に行ったのですが、待ち時間は10分ほどでした。もっと待つかと思っていたのでちょっと拍子抜け(^^;
「口座を作りたい」と伝える
自分の番号が呼ばれたので、窓口に行って、「我想开个银行账户」と言います。
その時、パスポートも提示してしまうと、自分が外国人であることを分かってもらえて話が早いと思います。
上でも触れましたが、私はこの時、口座を解説する目的や、ビザについてなど幾つか質問を受けました。
「出国卡」を作ってもらう
最近の中国のキャッシュカードはIC専用で磁気ストライプがついておらず、そのままでは日本のATMで使うことができません。
関連記事:新しい銀聯ICカードが日本のATMやPOSで使えない
それで、キャッシュカードを作る時は必ず磁気ストライプ付きカード(磁条卡)を発行してもらう必要があります。
光大銀行ではこのカードは「出国卡」と呼ばれているようなので、「麻烦你帮我办张出国卡可以吗(出国カードを作ってもらえますか)」とお願いしました。
私の場合は、さすが北京支店だけあって、「あなたのは最初から出国カードで作ってるから大丈夫ですよ」との返事でした。
スマホにSMSが届く
口座開設申し込み書を記入して、必要事項を係員の方がコンピューターに入力したところ、スマホにSMSが届きました。
SMSで届いた番号を、窓口の機械に入力することで本人確認とするようです。
中国の銀行口座の暗証番号は6桁
続いて暗証番号を、同じ機械から設定します。
中国の銀行口座の暗証番号は6桁なので、事前に決めておくと焦らず手続きできますね。
費用は無料、初期残高も不要
光大銀行は口座開設費用は無料で、初期残高も不要でした。
おそらく他のほとんどの銀行も同じだと思います。
ここで大失敗:WeChatペイにはオンライン支払い機能の追加が必要
カード発行の手続きに入る前に、窓口の方に「他に必要な機能はありますか?」と尋ねられました。
「外貨預金もする予定ないし、公共料金の支払いもクレジットカードも必要ないし…」と思い、「いいえ、ありません」と答えたのですが、これが大失敗><
昨日の記事でも「微信支付(WeChatペイ)」が使えなかった件を書きましたが(関連記事:日本版WeChatで微信支付を使うまでの長い道のり(その1))、光大銀行のカードと微信支付をひも付けるには、口座開設時に「网上支付(オンライン支払い)」機能を付ける必要があったようです。
気づいたのが帰国直前だったので、今回は微信支付とのひも付けをあきらめてしまいました。
もし光大銀行で口座開設される場合には、「我想用网上支付功能」と言ってオンライン支払い機能を付けてもらうようにしてください。
他の銀行でも「我想用微信支付」などと言って、確実に微信支付とひも付けができるようにしてもらうといいと思います。
短期旅行者でも簡単に中国の銀行口座は作れます
という訳で、ちょっと失敗もありましたが、「短期旅行者が中国で銀行口座を開設できるのか」という実験に関しては成功、ということで良しとしましょう(^^;
ここまでかかった時間はわずか30分、何かの用事のついでに口座をさくっと作っておくのもいいですね。