日本で買ったiPhone7/iPhone7 Plusは中国でも使えるのか調べてみた

この記事は2016年10月に公開された記事を再構成したものです。記事の内容が古くなっている可能性があります。

先月発売になったiPhone7/iPhone7 Plus、もう購入したという方も、検討中という方も多いと思います。

さてそんなApple社の新型スマートフォンiPhone7は中国でも使えるのか、どうやったら中国で使えるのか、(若干出遅れ感はありますが)ちょっと探っていきたいと思います。

この記事を書いた人
DASHi@わーとら!管理人

旅ブロガー。中国地方の某県を拠点に、のんびり地方暮らしをしつつ業務やプライベートで海外と日本を行ったり来たりする日々を続けて20年、行った旅行先はアジア~北米・ヨーロッパを中心に20ヶ国以上になります。このブログでは旅から気づいた情報を発信しています。本業はフリーランスのソフトウェアエンジニア、趣味は海外鉄道の乗り歩き。

iPhone7が発売になりましたね

先月はiPhone7とiPhone7 Plusの発表と発売開始で、世間はずいぶんと盛り上がっていたようですね。

iPhone6sと代わり映えがしないとか、当初はネガティブな意見も多く見られましたが、発売日になってフタを開けてみると、ほぼ全機種が即完売で、聞くところではいまだに入荷待ちの方も少なくないとか。

私も、これまでスマホはずっとAndroid派だったのですが、今回のiPhone7はなぜだか妙に気になっているんですよね。

個人的には、カメラ機能がかなり進化したらしいiPhone7 Plusに注目しているのですが、予算の兼ね合いもあるのでどうしようかといまだに迷っているところです・・・

日本向け特別仕様のiPhone7(iPhone7 Plus)

さて今回、メディアや多くのブログなどでも取り上げられているのが、iPhone7の「日本特別仕様」です。

詳しい内容は専門のサイトに譲るとして、iPhone7(iPhone7 Plus)の国際版と日本版との大きな違いとして挙げられているのが次の2点です。

  • Felica(モバイルSuica、おサイフケータイ)対応
  • Band11(au), Band21(docomo)対応

iPhone7のモデルNo.

iPhone7(iPhone7 Plus)のモデルNo.は、以下のようになっています。

  • 日本向け⇒A1779(iPhone7)とA1785(iPhone7 Plus)
  • 米Verizon+中国・香港向け⇒A1660(iPhone7)とA1661(iPhone7 Plus)
  • 米AT&T+欧州向け⇒A1778(iPhone7)とA1784(iPhone7 Plus)

最初のFelica(モバイルSuica)対応は置いておくとして、中国出張組として気になるのが、2番めの「日本独自の周波数への対応」ですね。

私のような電波オタクならともかく、普通の人は「日本独自の周波数に対応」と言われると、「じゃあ中国の周波数には対応しているの?」と考えてしまうものです。

結論から言えば「iPhone7/iPhone7 Plusは中国でも使えます」

記事を書いていたらずいぶんと長くなってしまったので、このあたりで先に結論を書いておきたいと思います。

日本で買ったiPhone7/iPhone7 Plusは(周波数的には)中国でも使えます。

ここからは、ちょっとそのあたりを詳しく解説していきたいと思います。

初級編:SIMロックについて

さて、自分が日本で買ったiPhone7(iPhone7 Plus)が中国でも使えるかを確認するため、最初に確認したいのが「SIMロック」の有無です。

もしこれから、中国でも日本でも使えるiPhone7(iPhone7 Plus)を購入したいと思っているなら、Apple Storeで「SIMフリー(SIMロックフリー)版」を購入するのが絶対オススメです。

オンライン、実店舗どちらでも、Apple Storeで販売されているiPhoneは(特に明記されていない限り)すべてSIMフリー版となっています。

さて、docomoやau、ソフトバンクなどのショップで購入したiPhoneには「SIMロック」が掛けられているので、そのままでは中国で使うことができません。

正確に言うと「中国のSIMに挿し替えて使うことができない」ですね。

この場合、2つの方法があります。

初級その1:「海外パケ・ホーダイ」などの海外ローミング定額プランを利用する

もしご自分のiPhoneがdocomo、au、ソフトバンクの(キャリア版)iPhone7で、SIMロックがかかっている場合、「海外パケ・ホーダイ(docomo)」「海外ダブル定額(au)」「海外あんしん定額(ソフトバンク)」などの名称で携帯電話各社が提供している海外ローミング定額プランを利用するのが一番簡単です。

中国で海外ローミング定額プランを使うには、現地に着いたら設定画面から「海外ローミング」をONにするだけ。

どの会社のiPhone7でも中国で問題なく使えるので安心してください。

厳密には中国の周波数に対応しているかの確認も必要ですが、ここは初級編なので複雑な説明は控えます(その辺りは中級編で)。

この方法のメリットは、簡単な上にGFW(金盾とも言われる)中国のネット規制も確実に回避できること。

このネット規制回避のことを通称「壁越え」と言います。

ただこの方法、簡単・便利しかも壁越えもできる優れものなんですが、費用が1日2,980円とかなり高額なんですよね。

3日間で9,000円、5日間だとなんと15,000円。。。

できればこの費用、なんとかしたいところです。

ドコモなら1280円のプランもありますが…

docomoには「海外1dayパケ」(中国では24時間1,280円/30MB)というプランもありますが、使えるデータ量がたったの30MBということなので、地図アプリなどを使っているとあっという間に容量をオーバーしてしまいそうです。(注記:docomo「海外1dayパケ」は2022年3月14日にサービス終了しました)

また、auの「世界データ定額」は中国に対応していません。

中国で使える地図アプリ

ちなみに、中国ではGoogleMapが使えません。

壁越えして使っても座標がずれてしまいとても不便なので、中国の地図アプリ「百度地図(百度地图)」をあらかじめインストールしておくのがオススメです。

初級その2:海外用WiFiルーターをレンタルする

という訳で、次の方法としては「海外用WiFiルーター」のレンタルがあります。

中国向けの海外用レンタルWiFiルーターサービスを提供している会社はいくつかありますが、やはりレンタルWiFiの場合も「壁越え」ができると何かと便利です。

初心者にオススメ①:エクスモバイルの中国データパック

初心者にオススメなのはWiFiトラベル(旧エクスモバイル)の「中国プラン」です。

というのも、エクスモバイルの壁越え方式は設定不要でそのまま使えるので、機械の苦手な方でもすぐに使えるんです。

それでいて、価格も海外パケット定額よりかなり安くなるので、WiFiの接続ができる方ならこちらをレンタルしていくと通信費の節約になりますね。

初心者にオススメ②:グローバルWiFiの中国VPNプラン

海外専用グローバルWiFiの「中国特別回線プラン」も設定不要でそのまま壁越えができるので、機械の苦手な方でも大丈夫です。

上のWiFiトラベルとは料金やサービスなどで若干の違いがありますので、ご自分にあったプランを見つけるといいですね。

次はSIMフリーまたはSIMロックを解除したiPhone7(iPhone7 Plus)を持っている方向けの、中級編です。

中級編:iPhone7(iPhone7 Plus)のSIMを挿し替えて使う

次に、iPhone7(iPhone7 Plus)のSIMを挿し替えて使う方法を検討してみます。

SIMフリー(またはSIMロック解除済み)のiPhone7(iPhone7 Plus)を持っている場合、SIMを差し替えることで海外でも比較的安価にモバイル回線に接続することができます。

中級編《準備》:ショップで「SIMロック解除」してもらう

docomoやau、ソフトバンクで購入したiPhone7(iPhone7 Plus)はそのままだとSIMロックがかかっていますが、一定の条件を満たすとショップでSIMロックを解除してもらうことができます。

この制度をうまく使えば、「SIMフリーのiPhone7」をかなりオトクに手に入れることもできますね。

また、もし機種変更前のiPhone6などが手元に残っていれば、それをSIMロック解除してもらって中国で使うこともできます。

ちなみに、iPhone7(iPhone7 Plus)のSIMのサイズは「nano(ナノ)SIM」です。SIMカードを購入する際は「ナノSIM対応」であることの確認をお忘れなく。

iPhone7は中国の周波数に対応しているか

さてやっと本題、「iPhone7は中国の周波数に対応しているのか」を確かめないといけません。

というのも、世界で使われている携帯電話の周波数は国によって様々で、携帯電話(スマホ)が現地の周波数に対応していないと、いくらSIMロックが解除されていても(SIMフリーでも)現地のSIMを挿して使うことができないのです。

中国には、「チャイナ・モバイル:中国移動(中国移动)」、「チャイナ・ユニコム:中国聯通(中国联通)」、「チャイナ・テレコム:中国電信(中国电信)」の3つの携帯電話会社があります。

壁越えSIMの対応周波数を確認

ここでもやはり、壁越えができると何かと便利なので、(中級編での)選択肢はチャイナ・モバイル(中国移動)かチャイナ・ユニコム(中国聯通)の2つに絞られます。

チャイナ・モバイル、チャイナ・ユニコムそれぞれ「中国移動香港」、「中国聯通香港」という香港の会社を経由することで壁越えを実現しています。

iPhone7(iPhone7 Plus)は中国移動・中国聯通に対応しているか

本題に戻って、「iPhone7は中国(中国移動・中国聯通の壁越えSIM)の周波数に対応しているか」について引き続き検討します。

中国移動は、TD-LTEのBand38(2.5GHz帯)、Band39(1900MHz帯)、Band40(2.3GHz帯)の3つのバンド(周波数)を使用しています。

それに加えて、地方部や電波環境の悪い場所などではTD-SCDMAという周波数も使われています。これは一般のSIMも壁越えSIMも同じです。

中国聯通の場合、壁越えSIMは3Gのみ対応のため、使っている周波数はWCDMA(UTMS)のBand1(2,100MHz帯)となります。

iPhone7(iPhone7 Plus)は壁越え香港SIMの全周波数に対応

次に、Appleの公式サイトから日本版iPhone7(iPhone7 Plus)の対応周波数を見てみます。

上でも触れましたが、日本版のモデルNo.は「A1779」もしくは「A1785」です。

iPhone7(iPhone7 Plus)の対応周波数を見ていくと、TD-LTE(バンド38、39、40)、TD-SCDMA2,000、UMTS2,100MHzのすべて記載がありました。

ということで、日本のiPhone7(iPhone7 Plus)はSIMロックが解除されていれば、中国のどの(壁越え)SIMで使っても問題ないことが分かりました!

中国向けの壁越えできるSIM(香港SIM)は、日本のAmazonでも購入できます。

最後の上級編は、主に長期滞在される方向けの現地SIMの使い方です。

上級編:現地SIM+VPNを使う

さて、SIMフリーの(またはSIMロックを解除した)iPhone7(iPhone7 Plus)を持っていて、壁越え用の香港SIMではなく現地SIMを使いたい、という方もいるかもしれません。

VPNを使えば壁越えも可能

いくらか手間が(費用も)かかりますが、VPNを使って壁越えしている人も多くいます。

VPNは時折つながらなくなることがあるので、時間が勝負の短期出張には基本的にお勧めしません。

長期滞在では現地SIMを使うことに

少し前にも問い合わせフォームから質問をいただいたのですが、現地会社への赴任や出向などで中国に長期滞在する予定の場合は、香港SIMは費用の面で現実的ではないため、多少の不便さがあっても現地SIMを契約することになると思います。

China Unicom Nano-SIM | SimonQ錫濛譙 | Flickr

現地SIMでは、そのままではGmailなど色々なサービスが使えないなどの不便さがありますが、長期滞在の場合は、自分のネット生活スタイルをそうした規制されているサイトに依存しないように調整するのも賢い方法ですね。

そうすると、SIMの選択肢はチャイナ・モバイル:中国移動(中国移动)、チャイナ・ユニコム:中国聯通(中国联通)、チャイナ・テレコム:中国電信(中国电信)の3社すべてに広がります。

どの通信会社のSIMがいいかは、都市によってかなり様子が異なるようですので、ぜひ現地のお知り合いに尋ねてみてください。

iPhone7/iPhone7 Plusは中国の現地SIMで使えるか

中国の3つの通信会社の使っている周波数は以下のようになっています。

周波数(バンド)は「Band◯◯」と表記する方法や、短縮して「B◯◯」と表記する方法などがありますが、意味は同じです。

Band 移动 联通 电信
4G TD-LTE B38
TD-LTE B39
TD-LTE B40
FDD-LTE B3
3G TD-SCDMA
WCDMA B1
CDMA2000
2G GSM800
GSM1800
CDMA

さて、中級編でも確認したiPhone7(iPhone7 Plus)の公式サイトから、対応周波数をもう一度確認してみます。

ただ、ここまでくると見方もかなりややこしくなってきますので、上の表で対応している周波数はピンク、非対応周波数をグレーで網掛けしておきました。

さすがiPhone7/iPhone7 Plus、中国の携帯キャリア3社ほぼ完全対応、ですね。

ただ1箇所だけ、チャイナ・テレコム(电信)のCDMA(2G)だけ非対応になっていますが、これは私たち外国人の一般的の行動範囲ではまず出現しないレア周波数なので、気にする必要はないでしょう。

2016/10/05訂正:
チャイナ・テレコムの2G(CDMAone)は3GのCDMA2000と互換性があるため、日本版iPhone7/iPhone7 Plusでも接続できるようです。

まとめ:iPhone7(iPhone7 Plus)は中国最強スマホ

ということで、見る限りではiPhone7/iPhone7 PlusはiPhone6sに引き続き中国最強スマホと言っても良さそうです。

iPhone7から日本向けに特別バージョンが出たとのことで少し心配しましたが、そのために他の対応周波数が削られた訳ではないようなので、一安心ですね。

読者の皆さんも、「◯◯版iPhone7/iPhone7 Plusと中国◯◯のSIMで使えたよ!」という情報がありましたら、滞在した都市の名前も添えて、ぜひコメントでお知らせくださればうれしいです。 そうすると、後でこの記事を見られた方に、より確度の高い情報が提供できるかな、と思います。

安価なAndroidを現地専用に調達するのもありかも

私もかなり心惹かれるものがありますが、ただこれだけ高額だと、中国で紛失したり盗難に遭ったりした時には目も当てられないことになりそうです。

現地用にAndroidスマホを調達するというのもありかもしれません。

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