香港の市内移動で最も効率的なのが、MTR(港鉄)です。
タクシーより安く、バスよりルートが分かりやすく、渋滞の影響も受けません。空港から市内中心部、九龍、香港島、さらには深セン方面まで幅広くカバーしています。
この記事では、香港MTRの路線図、料金、乗り方、オクトパスカードの使い方まで、旅行者目線で日本語でまとめます。
結論:香港市内の移動はMTRが基本
香港MTRは、次のような人に特におすすめです。
- 香港空港から市内に移動する人
- 九龍・香港島間を効率よく行き来したい人
- 深センとの往来を予定している人
- タクシー代を抑えて移動したい人
- 初めての香港旅行で不安がある人
香港は道路が渋滞しやすいため、市内の主要移動をMTR中心で考えると旅程が組みやすくなります。
香港MTRとは?
MTR(Mass Transit Railway、港鉄)は、香港の主要な鉄道・地下鉄ネットワークです。
地下鉄路線だけでなく、空港エクスプレス、ライトレール(新界地区)、東鉄線(深セン方面)なども含む広範な路線を運行しています。
駅構内や車内は英語・中国語の二言語表記で、旅行者にとって非常に使いやすい設計です。
香港MTRの路線図

香港MTRの路線図は色分けされていて、直感的に分かりやすくなっています。
旅行者がまず覚えておくべき路線は以下の通りです。
旅行者が特に使う路線
- 荃灣線(赤): 九龍半島の南北を縦断する基幹路線。尖沙咀、旺角、美孚など主要駅をカバー
- 港島線(青): 香港島の東西を結ぶ路線。銅鑼湾、中環、金鐘など商業中心地をカバー
- 觀塘線(緑): 九龍東部を走る路線。旺角での荃灣線との乗換が便利
- 東鉄線(水色): 九龍から深セン方面(羅湖・落馬洲)に向かう重要路線
- 機場快線(空港エクスプレス): 香港空港と市内を約24分で結ぶ高速路線
全路線を覚える必要はありません。行き先ごとに使う路線を1〜2本把握しておけば十分です。
路線図の入手方法
MTRの路線図は以下の方法で確認できます。
- MTR公式サイトからPDFをダウンロード
- MTR各駅で無料配布されている紙の路線図をもらう
- MTR公式アプリ(MTR Mobile)をインストールする
旅行前にアプリを入れておくと、ルート検索や運賃計算がその場でできるので便利です。
香港MTRの料金

運賃は乗車区間と券種・支払い方法によって異なります。通常路線はMTR公式の乗車券案内から運賃表や経路検索を確認し、出発駅・到着駅と大人・子供などの区分を指定しましょう。空港エクスプレスの料金は後述の表で別に示します。
銀行カードのタッチ決済で乗る
対象の非接触型Visa・Mastercard・UnionPayカードは、タッチ決済対応の専用改札で使えます。UnionPayのデビットカードは対象外です。入場・出場には同じカードまたは同じ決済端末を使い、入場を物理カード、出場をスマートフォンに切り替えないでください。
運賃は大人Octopus運賃と同額で、子供・シニア等の割引運賃は適用されません。ライトレールとMTRバスは対象外です。尖沙咀と尖東で改札外乗り換えをすると2回の乗車として別々に課金されます。詳しくはMTR公式のタッチ乗車案内を確認してください(2026年10月11日確認)。
Tourist Day Pass(旅行者向け1日乗車券)
大人75 HKD、3〜11歳の子供35 HKDです。購入時点で香港滞在14日未満の非居住者旅行者が対象で、購入・受け取り時には旅券等の旅行者であることを示す証明が必要です。発行から1か月以内に使い始め、最初の入場から連続24時間利用できます。
対象はMTR・ライトレール・MTRバスですが、空港エクスプレス、東鉄線のファーストクラス、羅湖・落馬洲駅への往復は対象外です。香港空港や深センへの移動を含めて全線乗り放題と考えないでください。
購入できる駅には例外があります。公式オンライン購入と販売窓口はTourist Day Passの公式案内で確認し、予定区間の運賃合計と比べましょう(2026年10月11日確認)。空港エクスプレスは片道券・往復券等を別に選びます。
子供料金・シニア料金
通常の単程票には、3〜11歳の子供と65歳以上のシニア向けの割引券があります。一方、銀行カードのタッチ乗車には大人運賃が適用されます。空港エクスプレス等は条件が異なるため、利用する券種・路線の公式料金を確認してください。
香港オクトパスカードとは?
オクトパスカード(八達通、Octopus Card)は、香港の交通系ICカードです。
MTR、バス、フェリー、トラム、さらにはコンビニや飲食店での支払いにも使える万能カードで、香港旅行では必携と言っていいほど便利です。
オクトパスカードのメリット
- 改札通過がスムーズ: 毎回切符を買わなくて済む
- 運賃がやや割安: 単発切符より安くなることが多い
- 交通以外でも使える: セブンイレブン、サークルK、マクドナルドなど
- 残高確認が簡単: アプリやMTR駅の端末で確認可能
オクトパスカードの買い方と種類
購入前に、返金可能なデポジットを預けるOn-Loan版と、購入代金が返金されないSold版を区別しましょう。
Standard OctopusのOn-Loan版には50 HKDのデポジットと初期残高があり、販売窓口には除外駅があります。空港駅はStandard Octopusの販売対象外で、MTRの案内では空港駅で旅行者向けのSold版が販売されています。空港で買うカードにも一律に50 HKDの返金可能なデポジットがあるとは考えないでください。
購入する商品の価格・初期残高・返金条件と窓口を、Standard Octopusの公式案内とMTRの空港販売商品案内で確認してください(2026年10月11日確認)。
オクトパスカードのチャージ方法
チャージ(增値)は以下の場所で行えます。
- MTR駅の対応するチャージ機
- MTR各駅のカスタマーサービスセンター
- セブンイレブンなどのコンビニ
50 HKD単位でチャージするのが一般的です。
iPhoneでオクトパスカードを使う方法
日本発行のカードで新しいOctopusを発行・チャージする場合は、旅行者向けのOctopus App for Touristsを使う方法を先に確認しましょう。Walletから直接発行する方法とは使える決済カードの条件が異なります。地域設定の変更だけで発行できるとは限りません。
旅行者向けアプリで発行する流れ
公式の旅行者向け案内では、対応機種はiPhone X以降、Apple Watch Series 3以降で、最新のiOS・watchOSが必要です。日本発行のVisa・Mastercard等を使う場合も、Apple Payへの対応とアプリでの支払い可否を確認してください。
- Octopus App for Touristsを入れてApple Accountでサインインする
- 「+」から新しいOctopusの追加を選び、規約を確認する
- 初期チャージ額を指定し、対象の決済カードと通貨を確認する
- アプリの案内に従って支払いとiPhone・Apple Watchへの追加を完了する
新規発行は最低100 HKDの初期残高と50 HKDのデポジットが必要です。支払い前に画面の合計額と適用される費用を確認してください。発行・追加が完了したデバイスをOctopusリーダーにかざして乗車します。
手持ちのカードを移行する場合
公式FAQでは、移行対象は無記名のOn-Loan大人用・シニア用です。移行後は元の物理カードが使えなくなるので、手持ちのカードが対象か、どのデバイスで使うかを確認してから移行してください。
詳細はOctopusの旅行者向け公式案内と発行・移行FAQを参照してください(2026年10月11日確認)。Androidの利用条件は端末・サービスごとに確認が必要で、Google Payで同じ手順を使えるとは限りません。
長期間使っていないオクトパスカード
長期未利用で利用停止状態(Inactive)になる場合があります。2017年10月1日以降に発行されたOn-Loan大人用は、チャージ・支払いのない期間が3年続くとInactiveとなり、管理費の対象になります。カードの種類により扱いが異なるため、一律の有効期限と考えず、公式の再有効化案内で状態と手続きを確認してください(2026年10月11日確認)。
香港MTRの乗り方

初めての人でも迷いにくい設計になっています。基本の流れは以下の通りです。
- 駅入口のゲートから入場する
- オクトパスカードまたは切符で改札を通る
- 案内表示に従ってホームに進む
- 目的地で下車し、改札を出る
改札の通り方
オクトパスカードの場合は改札機のセンサー部分にタッチするだけです。入場時・出場時の2回タッチが必要です。
通常路線の物理的な単程票はスマートチケットです。入場時は読み取り部にタッチし、出場時は対応改札の投入口に入れて回収されます。公式の単程票の使い方を確認してください。
MTR Mobileの電子単程票は、対応改札で入場・出場ともQRコードを読み取らせます。物理チケットやOctopusとは操作が異なるため、公式の電子単程票案内と改札の表示を確認しましょう(2026年10月11日確認)。
乗り換えの見方
MTRの乗り換えは、色分けされた路線表示に従って進めば大丈夫です。
駅構内の案内表示は英語併記なので、路線名と終点駅名を確認して進行方向を見極めましょう。
車内の注意点
- 飲食は禁止(罰金HK$2,000の対象)
- 優先席の譲り合いが推奨されている
- 大きな荷物は他の乗客の邪魔にならないよう配慮
香港空港から市内へのアクセス
空港エクスプレス
空港エクスプレス(機場快線)は、空港と九龍駅・香港駅を結ぶ鉄道です。ホテルまでの移動時間には駅からの乗り換えや徒歩も含めて考えましょう。
次は大人の通常片道運賃です。Octopus・対象銀行カード・乗車QRコードと、物理的なスマートチケットで料金が異なります。期間限定の割引や往復券は含めていません。
| 区間 | 所要時間の目安 | Octopus・対象銀行カード・乗車QR | スマートチケット |
|---|---|---|---|
| 空港→九龍 | 約22分 | 105 HKD | 115 HKD |
| 空港→香港 | 約24分 | 120 HKD | 130 HKD |
券種別料金はMTR公式の空港エクスプレス料金表で確認しました(2026年10月11日)。出発前に利用する券種と割引条件を再確認してください。
空港エクスプレスの改札でもオクトパスカードが使えます。
MTR(一般路線)
空港エクスプレスを使わず、一般路線で市内に向かう方法もあります。
東涌線の東涌駅まで空港バスで移動し、そこからMTRに乗り換えるルートは、空港エクスプレスより安く済みます。
香港から深センへMTRで移動する
MTRの東鉄線を使えば、香港から深センへ移動できます。
主な越境ルートは以下の2つです。
- 羅湖ルート: MTR東鉄線の終点・羅湖駅から徒歩で羅湖口岸を通過して深センへ
- 落馬洲ルート: MTR東鉄線の落馬洲駅から徒歩で福田口岸を通過して深センへ
関連: 香港空港から深センへの行き方(フェリー・MTR・リムジンバス)まとめ
深センに到着した後の市内移動は、深セン地下鉄の路線図・料金・乗り方まとめを参考にしてください。
旅行者がつまずきやすいポイント
路線名と色を覚えておく
路線番号もありますが、現地では色で案内されることが多いです。地図アプリと併用すると迷いにくくなります。
中国側の地図アプリについては中国の地図アプリおすすめ比較も参考になります。
オクトパスカードの残高不足に注意
乗車前に残高と予定区間の運賃を確認しましょう。残高不足で改札を通れない場合は、駅の係員に相談してチャージや精算を行ってください。
ピーク時間帯の混雑
朝8〜9時台と夕方6〜7時台はかなり混雑します。大きな荷物がある場合はピーク時間帯を避けると楽です。
FAQ
香港MTRは英語だけで利用できますか?
できます。駅構内の案内表示、券売機、車内放送すべてに英語が含まれています。日本語はありませんが、英語が分かれば困ることはまずありません。
オクトパスカードは空港で買えますか?
空港駅では旅行者向けのSold版が案内されています。Standard OctopusのOn-Loan版とは購入代金・デポジットの扱いが異なるので、買う商品の条件を確認してください。
オクトパスカードをiPhoneで使う場合、物理カードは不要ですか?
対応デバイスへの発行・追加が完了すれば、物理カードなしで乗れます。日本発行カードで支払う場合はOctopus App for Touristsの対象条件を確認してください。
香港MTRで深センまで行けますか?
東鉄線を使って羅湖駅または落馬洲駅まで行き、そこから徒歩でボーダーを越えて深センに入ります。乗り換えなしで直通ではありませんが、MTRを使った移動は最もメジャーなルートの一つです。
香港MTRの最終電車は何時ですか?
路線によって異なりますが、おおむね深夜0時〜0時半頃が最終です。深夜の移動が必要な場合はタクシーやナイトバスの利用も検討してください。
香港MTRでSuicaは使えますか?
Suica・PASMOをOctopusの代わりに使うことはできません。Octopus、単程票、対象の銀行カードなどを選びましょう。銀行カードのタッチ乗車には大人運賃が適用され、対応改札で同じカード・端末を使う必要があります。
オクトパスカードは日本で事前に買えますか?
公式案内では香港到着前でも対応iPhone・Apple WatchにOctopusを追加できます。日本発行のカードで支払う場合はOctopus App for Touristsの発行手順と対象条件を確認してください。地域設定を変えるだけで発行できるとは限りません。
オクトパスカードはコンビニで買えますか?
商品によって販売店が異なります。コンビニで買う場合も、購入するカードの種類・価格・返金条件を確認してください。On-Loan版を探す場合はStandard Octopusの公式販売窓口を参照しましょう。
まとめ
香港MTRは、香港市内を移動するうえで最も効率的な交通手段です。
路線図が色分けされていて直感的に分かりやすく、英語案内も充実しているため、初めての香港旅行でも安心して使えます。
オクトパスカードを用意しておけば、改札もチャージもスムーズ。対応iPhoneを使う人は、Octopus App for Touristsの発行条件を確認しておくと準備しやすくなります。
空港アクセス、九龍・香港島間の移動、深セン方面への越境移動まで幅広くカバーしているので、まずはMTRを軸に旅程を組むのがおすすめです。